ラーメンに「味玉」追加が日本経済を救う!個人消費の約3割は「食」小さなぜいたくから活性化 識者が見解

北村 泰介 北村 泰介
ラーメンに「味玉」(左)をトッピングすることで日本経済が活性化する!?(写真はイメージです)
ラーメンに「味玉」(左)をトッピングすることで日本経済が活性化する!?(写真はイメージです)

 消費経済アナリストの渡辺広明氏がこのほど、都内で開催された「2024年度の消費と金融のトレンド予測」と題したパネルディスカッションに経済アナリストの馬渕磨理子氏と共に参加し、日本経済のV字回復につながる意識付けとして「ラーメンに味玉追加」というキーワードを掲げた。

 共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社「ロイヤリティ マーケティング」(本社・東京)が今年2月に20-70代の男女2894人を対象にした「現在の生活についての意識調査」の結果を元に行われた。TOKYO FMの番組「馬渕・渡辺の#ビジトピ」でコンビを組み、フジテレビ系「Live News α」のコメンテーター仲間でもある両氏が語り合った。

 さまざまな消費活動の中、渡辺氏は調査結果を踏まえて「食」に注目した。

 「節約意識」の上位10項目の内、1位は「食費」で61・0%、2位は「外食費」で48・4%と、3位の「水光熱費」、4位の「衣類・バッグ・靴」、5位の「旅行・レジャー・娯楽費」などを「食」が上回った。一方、「今後購入したいもの・経験したいこと」では1位が「食事・外食」(53・1%)で、2位の「旅行・レジャー」、3位の「買い物」などを抑えた。

 つまり、「食べるものや食べること」は節約したいが、「やっぱり欲しい」という〝コインの裏表〟の関係が見て取れた。

 渡辺氏は「日本のGDPの約55%は個人消費が占めていて、総務省の家計調査によると、その個人消費の中の約3割は食事と外食です。節約意識の高いカテゴリーが食費と外食であっても、実は『おいしいものを食べたい。でも、節約しなきゃ』ということ。物価高で外食の頻度を減らしても『1回はいいもの食べよう』という意識もある。『食費と外食』を活性化させることが経済を回し、国民の賃金を挙げることにつながる」と指摘した。

 さらに、同氏は「これから夏向けにやっていかないといけないのは、『ちょっと、ぜいたくなこと』の消費を後押しすること。30年続いた平成デフレからの脱却、日本経済をV字回復させる最後で最大のチャンス。空気が変わるタイミングが今なんじゃないか」と指摘した。

 その背景として、渡辺氏は「6月から1人当たり4万円の定額減税が入る。企業では33年ぶりの高水準の賃上げが進んでいる。4万円入って、給料も上向きになって、ガソリンの補助金も5月下旬から夏まで延長される、電気・ガス料金の負担軽減措置も5月で終了とされているが、延長される可能性もある。30何年ぶりに、個人消費的にはプラスに働く状況にきているのではないかと思います」と説明した。

 その上で、同氏は「衣食住でいうと、『住』はお金もかかるし、なかなか変えられない。『衣』はこだわりがなければ、下着や靴下を除いて、『タンス在庫』から5年、10年と着続けられる。だが、『食』がないと生きていけない」と付け加えた。

 会場のスクリーンには、なぜか煮玉子入りのラーメンの画像が大写しになった。

 渡辺氏は「ラーメン屋に行ったら『味玉』を付けましょう!分かります?『経済を動かすために、ぜいたくしよう』と言うと、みなさん『そんなに、ぜいたくはできない』と言われるんですけど、『味玉』を付けるくらいのぜいたくでいいんですよ。(国民)みんなが『味玉』付けたら日本経済は10%伸びますから。味玉って、だいたい1個100円くらいだから」と呼びかけた。

 同氏は「ラーメンでなくても、『推し活』でもなんでもいいですが、自分の好きなことで『ちょっと一つ付加すること』で経済が上がってくる。お金持ちは味玉1個と言わず、3個は付けてほしい。今、お金を使わないと平成デフレに逆戻りして日本経済が落ちていくので、ラーメンを注文したら『味玉』も付けましょう…ということです」と提唱した。

 現場スタッフは「資料を作っていて、なぜラーメンの写真を貼らないといけないのかと思っていたんですが、『味玉』だったんですね!」と納得。1個の玉子に日本経済を活性化させる「ちょっと、ぜいたく」の意味が込められていた。

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