オートサロン「オートモービル カウンシル」が12日から14日まで幕張メッセで開催された。「音速の貴公子」と呼ばれ、レース中の事故で生涯を終えた伝説のF1レーサー、アイルトン・セナさんの没後30年という節目に際し、実際に乗ったマシンや使用していたヘルメットなどが特別展示された。
最も人が集まったのは、1991年、セナさんに最後のワールドタイトルをもたらした「マクラーレン・ホンダ MP4/6」。「マルボロレッド」と呼ばれる赤色の塗装が鮮明に映えている。セナさんの母国・ブラジルGPでギアボックスのトラブルに見舞われ、最終的には6速しか効かない状態ながらも悲願の優勝を果たしたことで知られている。
また85年にセナさんがF1初優勝を果たした、ロータス時代の「ロータス 97T ルノー」も展示された。黒のボディに金のラインが映える「JPS」カラーのマシン。ポルトガルGPで雨の決勝で3位以下を周回遅れにする圧倒的勝利を挙げ、ベルギーGPでも独走で勝利。「雨のセナ」の異名が広まるきっかけとなった。
ブースの中で唯一の市販車となった「ホンダNSX-R」も展示された。ホンダの第2期F1ラストイヤーの92年に、日本グランプリを終えたセナさんが鈴鹿で開発中のNSX-Rに試乗。ピットに戻ったセナさんが開口一番に「comfort!(快適だ)」と評した名車で、今も高値で取引されている。