車選びにはその人の価値観、ライフスタイルが反映される。プロレスラーの蝶野正洋はデビュー2年目の1985年、22歳で初めてマイカーを所有。愛車生活は今年で37年になる。リング内外で活躍する「黒のカリスマ」が、よろず~ニュースの取材に対して、自身の愛車遍歴を語った。
最初の車は「日産スカイライン」。84年、新日本プロレスに入門し、同年10月、同期・武藤敬司とのシングル戦でデビュー。その翌年に購入した。86年に「日産フェアレディZ」に乗り換えた後、87年から海外武者修行で欧州、北米を転戦。89年にはドイツ(当時は西ドイツ)で中古のBMWを購入している。蝶野は「レスラーが海外で試合やる時も、車は移動の最大の必要条件です」という。
G1クライマックスの第1回大会を制した91年は「メルセデス・ベンツ300E」と「マツダ ファミリア」という外国車と国産車の2台持ちになった。同年はプロレスラーとしてブレークし、また、ドイツ遠征時に出会ったドイツ人のマルティーナさんと結婚した記念すべき年。ドイツ車と国産車の2台持ちというスタイルは現在も続いている。
「今は、ベンツEクラス350AMGステーションワゴン。カミさんがやっぱりね、ドイツ車じゃなきゃダメだというのはあります(笑)。日本車では今、トヨタのハリアーに乗っているんですけど、久しぶりに乗って日本車もいいなって。シートも高くて楽だし、普段はハリアーに乗っています。350AMGはワゴンだから家族と一緒にとか。これまでも、だいたい2台持あって使い分けています」
ベンツに関しては、97年の「C200」、 2000年の「CLK200」、03年の「SL350」、06年の「S350」、08年の「C180コンプレッサーステーションワゴン」、11年の「E350ブルーテックステーションワゴン」…と乗り継いでいく。後者のワゴン車だが、06年に長男、09年に長女が誕生していることも背景にある。「子どもとワンちゃん(愛犬)がいるんで。1台はワゴンをキープしているんです」。愛車も生活形態の変化と共に変わっていく。
また、体がピンチの時も愛車がサポートしてくれる。昨年12月に脊柱管狭窄症の手術を受け、車いすや杖(つえ)を使う生活を余儀なくされた時期も車に助けられた。
「手術後、車にはすぐ乗っていましたよ。車くらいでしか動けないから。車まではいつくばって、運転して空港まで行って。海外でも車は必要条件でしたが、今の生活でも車は自分の中でも完全な移動手段です」
車のタイプも体調に左右される。蝶野は「以前乗っていたスポーツタイプはシートが低いから、腰が痛いとつらいんですよ。ジープみたいな形のだったら、シートが高くて姿勢が楽になるので、腰が悪いと、ちょっと運転席が高いような車に替えています」と明かす。
かつて、「車とは究極のプライベート空間」と定義していた蝶野。手術を経た今、「車は体をサポートしてくれる大切なパートナー」ということも実感している。
【蝶野正洋の愛車遍歴】
1985年 日産 スカイライン
86年 日産 フェアレディZ
88年 ビュイック センチュリー
89年 BMW3シリーズ
90年 日産 フェアレディZ
91年 メルセデス・ベンツ300E
91年 マツダ ファミリア
94年 ユーノス ロードスター
97年 メルセデス・ベンツ C200
2000年 メルセデス・ベンツCLK200
03年 メルセデス・ベンツ SL350
03年 トヨタ セルシオ
04年 アウディ AS3
04年 フォルクスワーゲン ゴルフ
06年 メルセデス・ベンツ S350
08年 メルセデス・ベンツ C180コンプレッサーステーションワゴン
11年 メルセデス・ベンツ E350ブルーテックステーションワゴン
12年 トヨタFJクルーザー
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現在はベンツEクラス350AMGステーションワゴンとトヨタ・ハリアー