日本維新の会の藤田文武幹事長(43)が3日、国会内での会見で、党共同代表で大阪府の吉村洋文知事(48)の〝万博出禁〟発言について「(発言が)切り取られて批判されることも真摯(しんし)に受け止めなければならない。私は許容範囲だと思いますけれども、後に批判をいただくこともある。そこは真摯に受け止めて、次に生かしていきたい」と述べた。
吉村氏は3月23日、大阪府茨木市で行われた大阪維新の会タウンミーティングに、横山英幸大阪市長(42)とともに出席。万博の大屋根(リング)について批判的なコメントをしたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーター・玉川徹氏(60)を念頭に「モーニングショーの玉川とかね。批判するのはいいけど、入れさせんとこう思って。『入れさせてくれ』『見たい』と言っても、モーニングショーは禁止、玉川徹は禁止と、言うたろかなと思う」と語った。
藤田氏は、吉村氏の発言の前後を動画で確認したとして「横山市長とのトークディスカッションみたいな感じだったので、場内の雰囲気も踏まえて、前後の文脈からすると、ある種のジョークの中での発言があった」との認識を示した。
「知事の権限で、特定の個人を出入り禁止にするっていう権限はもちろんありません」と、吉村氏に玉川氏らを〝万博出禁〟にする権限がないことを改めて強調し「そういう意味での冗談の範囲だったんだろう」と擁護した。
一方で「公共の電波で一方的な、または論拠に基づかない批判がかなり先行して行われてきたというのが一定ある。批判は論拠に基づいてしてほしいし、(万博を)支援する、または応援する声も同時に取り上げていただくよう改めてお願いしたい」と、報道姿勢に注文をつけた。
同党の馬場伸幸代表(59)がX(旧ツイッター)で、一連の騒動に「イッツ・ア大阪ジョーク。わからんかな?」とつぶやいたことも含めて、藤田氏は「私自身も国会でちょっと強めの大阪弁使った時に相当批判をいただいたこともあった。一方で、大阪の人で言うと『大したことじゃないよね』と、私なんかよりきつい大阪弁の地方の人から言われたり。受け取り方はさまざま」と説明した。
記者団から「大阪では許される空気感っていうのが通用しなくなる場面が今後は増えてくる」と問われると、藤田氏は「大阪だから許されるみたいな考えは僕らにはないです。大阪の改革を全国に広げ、大阪をてこにして、政治風土を一新したいという思いの中で我々はやっている。今は明確に全国政党を目指すという党のコンセンサスの下、戦っている。『大阪だから許されるねん』みたいな考えは、馬場代表にも吉村知事にもないだろうという風には思います。公職をいただいている我々のスタンスとしてはない」と、党への〝大阪ノリ〟指摘を否定した。
藤田氏は「政治家の言葉ひとつひとつが重要だな、大変気を払わないといけないことだなということを改めて受け止めたい。注目度が高まっていることの裏返しという風に、真摯に受け止めさせていただいて、我々の一挙手一投足が果たして信頼に耐えうるのかという厳しい目を国民の皆さんから査定されているということを認識した上で、振る舞っていきたい」と自戒した。