米NBCは23日、違法賭博の疑いでドジャースを解雇された水原一平氏についての人物像についての記事を掲載。一部報道でカルフォルニア大学リバーサイド校を卒業したとされている点について、「同大学の広報担当者はNBC LAに対し、水原氏が同校に通っていた記録はないと語った」と報じた。高校についてはダイヤモンドバー高校が学校のウェブサイトに卒業生として水原氏を掲載しているという。
水原氏を巡っては韓国での開幕戦の期間中に、違法賭博疑惑が浮上。ドジャースから電撃解雇された。米ESPNによると、捜査当局が調べていたブックメーカーに水原氏の借金があり、大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)が送金されたことが判明。同氏は19日に遠征先の韓国で90分間にわたって同局の単独インタビューに応じた。スポーツ賭博に手を染め始めたのは21年から。22年末にはその損失は100万ドル(約1億5000万円)を越えた。借金は「雪だるま式に膨れ上がった」と表現。自身の年俸30~50万ドル(約4500万~7500万円)ではとても追いつかない額に達していたことなどを明かし、記録に残っているブックメーカーへの返済は昨年9月と10月、それぞれ50万ドル(約7500万円)ずつだった。大谷が右肘手術を受けた時期と重なる大切な時に水原氏は、大谷に肩代わりを依頼する形で個人パソコンを使って振り込んだと証言した。
その一方で大谷の賭博関与を強く否定。賭けの対象はMLBが禁じている野球ではなかったこと、自身が住むカリフォルニア州ではスポーツ賭博が違法であることを知らなかったとも主張した。
ただ、水原氏はインタビューから一夜明けた20日に前言を完全撤回。自身のギャンブルや借金について大谷には話していないと真逆の証言を口にした。時を同じくして大谷の弁護団から同氏を「大規模な窃盗」で告発する声明文が出された。
ESPNによると、水原氏は開幕戦後のクラブハウスで選手らを前に「すべては自分の過ちです」と罪を認め、「自分はギャンブル依存症です」と告白したという。
MLBの規則では野球以外のスポーツへの賭けは許されているが、違法ブックメーカーの賭けは処罰の対象になる可能性がある。MLBはこの日、同疑惑について調査を開始したことを発表した。
水原氏は大谷が13年に入団した日本ハムで外国人選手の通訳を務めた後、同選手の18年のメジャー移籍に合わせて一緒に渡米。昨オフには10年7億ドル(当時の為替レートで約1015億円)のメガ契約を結んだ同選手とともにドジャースへ移籍した。大谷が最も信頼してきた人物の一人でもあった。