米俳優バディ・デュレスさんが死去していたことが明らかになった。38歳だった。ヘロイン中毒を描いた映画『神様なんかくそくらえ』や、『グッド・タイム』などで知られたバディが、昨年11月に「複数の薬物摂取による心停止」により帰らぬ人となったことを兄弟のクリストファー・スタシス氏がピープル誌に明かした。
ベニー&ジョシュア・サフディ兄弟の『神様なんかくそくらえ』(2014年)で俳優デビューを果たしたバディは、麻薬関連の罪で服役していたニューヨーク市のライカーズ島刑務所から出所後、薬物依存症患者のためのプログラムに参加せず逃亡中に共通の友人を通してジョシュアに出会い、出演が決まったという。
同作の撮影後、警察に捕まり、再びライカーズ島刑務所に戻されていたバディは以前、「今でも振り返ってみるよ。もしあのプログラムに参加していたら、『神様なんかくそくらえ』に出演していなかったし、おそらく今俳優もしていなかっただろう。それが正直な真実さ」とSSENSEに語っていた。
出所後、サフディ兄弟は、バディに刑務所での経験を日記に綴るよう依頼、その内容がロバート・パティンソン主演の『グッド・タイム』で映画化された。
バディはその後も、『ザ・マウンテン』や『大いなる闇の日々』といった映画に出演、しかし2019年に逮捕され、第3級重窃盗罪で再び同刑務所に服役した。
さらに同年、キャメロン・バン・ホイ監督作『ヒットマン ザ・プロフェッショナル』撮影中には、母親の家に放火すると脅迫したことで逮捕され、母親とバン・ホイ監督が保釈金を払い釈放されたものの、その後まもなく、ナックルダスターと違法薬物を所持していたことで再び同刑務所に戻されていた。
バン・ホイ監督は、バディの訃報を受け、「バディはスクリーン上では純粋な電気を放っていた。彼と仕事をするのは、私の人生において最も素晴らしい冒険の1つでした」と同誌に語った一方、バディが出演予定だった今年公開の新作『マス・ステート・ロッタリー』のジェイ・カラレス監督は「人生に1度現れるカリスマ的俳優で真に謙虚な男」とバディを称賛している。