韓国の政治家で「国民の力」党員であるペ・ヒョンジン議員を鈍器で暴行した14歳の中学生A君が、俳優のユ・アインにコーヒーとボトルを投げつけた人物と同一であることが明らかになったと、韓国メディアの聯合ニュースが報じた。
報道によると、麻薬の常習使用が疑われているユ・アインの拘束令状が却下された23年5月当時、ソウル麻浦(マボ)区警察署で取り調べを終えたユ・アインが、車に向かって歩いているところで事件は起きたという。そして同年12月、A君は「ユ・アインにコーヒーをかけたのは自分だ」と聯合ニュースに直接電話をかけ、自分の名前を明かしながら「元々嫌いだったユ・アインの薬物使用疑惑のニュースを見て腹が立ち、からかってやろうと思った」と明かしたそうだ。
またA君は事件当時、現場で撮ったと思われる自身とユ・アイン、取材陣が写っている写真を同社に送り付け、翌日「僕が写っている写真があったら提供してほしい」と要求したという。
これに先立ち23年12月22日、A君は景福宮(キョンボックン)の落書き模倣犯に対する令状実質審査出席現場に現れ、財布を投げつけたことが把握された。また同日、ソウル中央地裁を訪れた「共に民主党」イ・ジェミョン代表と支持者たちをバックに動画を撮影し、学校の同級生たちへ団体チャットルームで共有していたことも明らかに。
そして12月25日午後、ソウル江南(カンナム)区新沙洞(シンサドン)にある建物の入り口で、ペ・ヒョンジン議員の頭を石で17回攻撃し逮捕された。A君は警察の取り調べで「事件発生2時間前に、芸能人が多く訪れる美容室でサインをもらおうと待っていたところ、ペ議員を見つけて偶発的に犯行におよんだ」と主張。
しかしペ議員の秘書は「事件直後、現場でA君を捕まえ『なぜそんなことをした』と聞くと、A君は『政治をおかしくしてるじゃないか』と答えた」と証言した。また同秘書は当時A君が「国会議員ペ・ヒョンジンだよな」と身元を確認した上で攻撃を始めたことを伝えたほか、事件の参考人として警察で聴取を受けた際、警察に到着したA君の両親が「子どもが政治に高い関心を持っている」「イ・ジェミョン襲撃(事件を)見て模倣したようだ」と話しているのを耳にしたとも明かしている。
ペ議員は頭を数針縫ったとし、3日間の入院後に退院。現在は安静にしながら回復に努めているという。
警察はA君の犯行動機を調べるとともに、防犯カメラの確認、携帯電話分析や自宅押収などを行っている。