「コイツらを排除するには撮影禁止」南麻布・高級すし店でのトラブルを受けた飲食店の自衛策が話題に

中将 タカノリ 中将 タカノリ

1月19日深夜、東京・南麻布の高級寿司店で大将とラウンジ嬢がトラブルになった事件。その後、ラウンジ嬢は怒る大将の写真を一方的にSNS上で公開し「殴られかけた」と訴えたが、自身にも相当なマナー違反があったことなどが明かされ混乱している。そんな中、SNSでは飲食店がいかに“治安”を維持すべきか論ずる投稿が話題になっている。

「南麻布の鮨屋が整形女芸人にブチ切れてる写真がバズってますが、大将には悪いが下品なインフルエンサーやパパ活カップル、インスタ蝿どもが客になった時点で治安悪化は覚悟しなきゃならんのですよ

コイツらを排除する簡単な方法は撮影禁止です、顕示消費できなければ散ってきます

はま寿司行きたい」

と投稿したのは外資系コンサルティング会社の限界管理職と称するフェルヲさん(@makkinze)。

たしかに高級な飲食店で料理や他の客のことはそっちのけに撮影したり迷惑行為をしでかす層は一定数存在する。お店の格や環境を維持するにはどうすればいいのか。その答えを明確に示したフェルヲさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「確かに撮影禁止だけで、回避できそう。素晴らしい提案。」
「隠れた名店、今どきなぜ撮影禁止?と思ってましたが、理由があったのだなぁととても納得しました😌」
「なるほど🧐
お店側の工夫も大切ですね。
会員制も良いと思います!!」

など数々の共感の声が寄せられている。

フェルヲさんに話を聞いた。

ーー事件を知った際のご感想をあらためてお聞かせください。

フェルヲ:高級な鮨屋でも喧嘩が発生し、晒し行為や炎上も起こり得るんだなぁ…と、しみじみ感じました。加えて今回は、大将の怒りが非常に良く表現された躍動感のある写真だったので、センセーショナルさも加わって大炎上したのだと思いました。

ーー近年、顕示消費に迎合してしまう飲食店も多いようですが。

フェルヲ:顕示消費は100年以上前から存在する概念で、顕示消費を喚起して収益を上げることは、例えばラグジュアリー市場では古くから一般的にされています。ですので飲食業も、飲食を贅沢な行為として位置づけて、顕示欲を満たす世界を提供することで収益を上げることは否定されるものではないと考えています。

極端な例示ですが、鮨に腕時計を巻いてそのマリアージュを愉しませる高級飲食店というのも、そのような顕示行為を好む顧客が存在する限り成立すると考えています。但し、純粋に飲食をしたい顧客からは敬遠されるでしょうから、飲食店のコンセプトの独自性と収益性のバランス問題は出てきます。その際に安易な妥協で、顕示行為を好む顧客と、純粋に飲食をしたい顧客とを一緒くたにしてしまうと、顧客間で軋轢が生じ、結果的に虻蜂取らずになる可能性はあると考えています。

また別の視点で、顕示行為を好む人ほど、良いことも悪いこともSNSに投稿し拡散しようとする傾向があると私は考えており、彼らに依存したビジネスを展開する場合、些細なきっかけで今回のような炎上に繋がってしまうリスクは高いと考えています。

ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。

フェルヲ:握り鮨は1800年代にファーストフードとして屋台で出されたのが始まりですが、その鮨が現代では顕示消費の道具という性質をも持つようになったのは、鮨も社会と同じく多様化していて大変面白いなぁと感じています。

◇ ◇

飲食店の利用に際しよく「客だから尊重されるべき」という人がいるが、それ以前に客はその空間に合わせ、わきまえた振る舞いをすべき。そういった謙虚さの欠如が今回のような事件を生むのではないだろうか。

なお今回の話題をて提供してくれたフェルヲさんのXアイコンは漫画「婚活バトルフィールド37」(新潮社)の登場人物「青島」。著者・猪熊ことりさんの厚意で使用させてもらっているということだ。「婚活バトルフィールド37」は婚活が題材だが、婚活中の人以外も楽しめる人気作品。現在、シーズン1が完結し、今春にシーズン2が公開されるそうなので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

フェルヲさん関連情報

Xアカウント:https://x.com/makkinze

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