年が明けました。昨年末、日本屈指のパズル作家・河田智氏が、デイリースポーツ紙で執筆した連載コラムに読者から大きな反響がありました。年末年始に家族、親族と過ごす時間が増える人も多いと思います。慌ただしい世情。自分にとって「家族」とは一体なんなのか…。つい、そんなことを考えるコラムを紹介します。
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ボクの娘は実の娘ではありません。2歳のときに知り合った、女房の連れ子です。
一緒になるにあたっては、すごく悩みました。きちんと愛することができるのだろうかと。でも、それは杞憂でした。泣いて笑ってケンカして、あっという間に20年以上の月日が流れました。
でもホントのことをいつ言おう…。数年前、ついにそのときが訪れました。話の流れで、じつは…みたいな展開になったのです。そのとき娘のほうから言いました。「そんなのとっくに知ってたよ」「えっ?」。娘が高校生のとき、女房の昔のアルバムに、はがし忘れた1枚の写真を発見し、それですべてを理解したというのです。
事実を知ったことをボクら夫婦に1ミリも気取らせなかった娘。「ショックじゃなかった?」「べつに。だって、パパはパパじゃん」「本当のお父さんに会ってみたくない?」「全然。まるで興味ない」。ぶっきらぼうにそう言います。
それは本音ではないのかも知れません。ボクらを気遣ってのセリフなのかも知れません。でも、ダメダメ娘と思っていたその心の中に、そんな強さと優しさがいつの間にか育っていたのです。その夜ボクはフトンで泣きました…。
そんな娘も今年で30歳。ボクはその倍の60歳。今では女房も嫉妬する仲の良さです。てなわけで23年はオシマイ。24年もそんな家族ともに明るく、楽しく過ごしたいです。