職場の忘年会、新人に幹事を頼んだが「何のためにやるんですか」切り返しのポイント言葉は『経験』

石原 壮一郎 石原 壮一郎
※画像はイメージです(BRAD/stock.adobe.com)
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 コロナ禍による自粛が緩み、忘年会が復活しつつある。だが、若い世代などは〝仕事の延長である飲み会〟と捉えて回避したがる傾向にあるという。「大人研究」のパイオニアとして知られるコラムニストの石原壮一郎氏が、そういった主張をする新入社員らへの対応について自身の見解を示した。

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 【今回のピンチ】

 この暮れは久々に職場の忘年会をやろうという話になった。新人君に「幹事やってくれる」と頼んだら、冷たい口調で「忘年会なんて何のためにやるんですか」と聞かれた……。

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 あらためて「何のために」と聞かれたら、どう答えていいか悩んでしまいます。もちろん、たくさんの意味や意義がありますが、こんなこと聞いてくるようなヤツは、説明されても理解できないでしょう。

 幹事を頼まれたことにしたって、単に面倒くさいことを押しつけられたと捉えることもできるし、新人の自分にとってアピールや成長のチャンスと捉えることもできます。決して大げさではなく、ここでどう捉えるかは、人生の明暗を左右する大きな分岐点といっても過言ではありません。

 職場の忘年会を嫌がることがカッコイイと思っていたり、幹事のひとつもこなせなかったりするようでは、先が思いやられます。いやまあ、ご本人のご自由ではありますが。

 あっ、すみません。ちょっとケンカ腰になってしまいました。さて、こういうヤツに対しては、どう切り返せばいいのか。

 「職場の親睦を深めることで、仕事を円滑に進めるためだよ」と基本中の基本を説いても、たぶん鼻で笑ってくるでしょう。そもそもそいつは、チームで仕事をすることの意味がわかっていません。周囲が何かと配慮してくれていることに無自覚だし、まして自分が配慮する発想もスキルもありません。

 本音としては「へえー、そういうのがカッコイイと思ってんだね」「お前はネットのコメント欄に張り付いて、妄想の会社生活に文句を言い続けている自宅警備員か!」などと言ってやりたいところ。そんなこと言ったら面倒なことになるのは目に見えているので、口に出す必要はありませんけど。

 こちらとしては、「何のために」と聞いてきた時点で、すでに「こいつはダメだ」というレッテルを貼っています。「じゃあ、別の人に頼むことにするよ」と切り捨ててもいいんですけど、最後のチャンスを与えるのも一興。武士の、いや会社員の情けです。

 ここは「経験してみることで、何のためにやるのかがわかるんじゃないかな。ぜひ、キミなりの意味を見つけてみてよ」と返しましょう。そのあとで「幹事もよろしくね」と言って、肩を叩いておきます。

 ただ、きっと幹事が何をすればいいかわかってないので、放置しておくと忘年会が成立しないかも。わからないことを誰かに尋ねるという発想も勇気もなさそうです。幹事の経験が豊富な中堅の部下を呼んで、「わからないことは○○君に聞いて。○○君、いろいろ教えてやってね」とバックアップの体制を整えておいたほうが安心です。

 もしかしたら、そいつは今回の経験を通じて、何かをつかめるかもしれません。それはそれでめでたい話です。結局、不満を募らせるだけで、何もつかめない可能性は大。残念ですが、それが彼の生き方ということで、こっちは知ったこっちゃありません。

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