国民民主党が1日、国会内で臨時の両院議員総会を開いた。玉木雄一郎代表(54)と榛葉(しんば)賀津也幹事長(56)は、前原誠司代表代行(61)ら同党の議員4人が離党し、新党を結成する意向を示したことについて報告。所属議員からは前原氏らの除名や、比例で当選した議員の議席返上を求める意見もあったが、党に正式に離党届が出されていないとしてこの日は処分は決まらなかった。
玉木氏は冒頭、「報道でありましたが、前原代表代行ら4名が、離党の意向を示したと。ただ、今まで直接連絡も入っておりませんので、幹事長中心に事実関係をしっかり確認した上で、粛々と手続きを進めていきたい」と述べた。
両院議員総会終了後、記者団の取材に応じた大塚耕平政調会長(64)は「正式に話がまったく代表、幹事長のところにまだない。直接離党届を持って来られたという経過は、榛葉幹事長から聞きました」と話した。
大塚氏によると、榛葉氏が前原氏らからの離党届を受け取らなかった理由について「榛葉さんが来客中で、秘書さんもいない時にドアノックで前原さんらが持ってこられたけれども、そういうことならちゃんとアポイントを取ってお申し出くださいと言って、その場は引き取ってもらった」と説明。前原氏らは内容証明郵便で離党届を送付したと主張したが、現時点で届いていないという。
前原氏らへの処分について、大塚氏は「(榛葉)幹事長からは、厳しい処分をするべきではないかと思う、というような発言はありました。ただ、離党届を受け取ってないよという意味です」と、離党届が党に届いた時点で手順を執行部と議員で考えることになるとした。
その上で「処分について、意見が割れたようなことはありませんでした。国民民主党という党の比例議席を使ったわけですから、もし一緒になっていけないということなら議席を返上するというのが本来の筋じゃないかという発言もあった。前原議員たちの行動に関して、擁護する声はひとつもありませんでした」と語気を強めた。
大塚氏は「やっぱりアポを入れて、ちょっと重要なお話がありますのでと言って、離党届を持ってまいりましたとお渡しになるのが常識的な対応。少なくともそういうプロセスがどなたからもない」と〝アポなし離党届〟を批判。トリガー条項の凍結解除をめぐって、前原氏の「トリガー条項にほぼ全体重を乗せて〝自公国〟と言われる」との指摘にも「発言の意味が全く理解できない」と切り捨てた。
前原氏ら4人の離党で、国民民主党の所属議員は17人に。大塚氏は「明らかに手順や、信義則に反する出来事が起きている。事細かな理由がどうだこうだっていう発言はなかった。言わずもがな」と、前原氏への厳しい処分を求める意見で一致していることを強調した。