勤務する場所と時間を柔軟に選択できる「フレキシブルワーク」に心臓発作のリスクを下げる効果があることがわかってきた。米国で行われた研究によると、フレキシブルに働いた場合、心臓の健康が10年前と同程度に戻った人もおり、仕事とプライベートのより良いバランスの重要性が示されたという。
ハーバードとペンシルベニア州立大学の研究者らが、被験者の生活について、 ワーク・ファミリー・コンフリクト(仕事と家庭の両立に関する葛藤)を減らした場合、心血管の病気に罹る危険が低下するかを調査したところ、2つのグループに顕著な影響が出ることが判明した。
また、45歳以上のグループおよび心臓発作もしくは脳卒中のリスクが既に高いグループにおいて、生産性を減らすことなく有意な影響が出ることがわかった。
ハーバード・T・H・チャン公衆衛生大学院で同研究を共同指導したリサ・バークマン氏はこう話す。「ストレス過多な職場環境やワーク・ファミリー・コンフリクトが軽減されると、より立場の低い従業員の間で心血管の病気のリスクが下がり、その生産性にネガティブな影響が出ないことがわかりました」
「今回の発見は、従来自分のスケジュールをコントロールできず仕事も過酷、健康格差が大きい低中賃金の労働者にとって特に重大な影響を与えると言えます」