カーマニア垂ぜんの国産旧車が紹介されるCS放送「映画・チャンネルNECO」の30分枠ドラマ「旧車探して、地元めし」。10月にオンエアとなる第9話(14日初回放送)と第10話(21日初回放送)でも数々の名車が登場するが、日本において昭和50年代に起きた「スーパーカーブーム」の象徴的な存在となった「ランボルギーニ・カウンタック」もその勇姿を現す。現場に立ち会った主演俳優の升毅と番組プロデューサーが、よろず~ニュースの取材に対し、その魅力などを語った。
ランボルギーニ・カウンタックはイタリアの自動車メーカー「ランボルギーニ」が1974年から90年にかけて生産・販売。日本では70年代後半から80年代にかけて起きたスーパーカーブームの主役となった。
ブームの火付け役となったのが、75年から79年にかけて週刊少年ジャンプで連載された漫画「サーキットの狼」(池沢さとし作)。作者と作品タイトルを冠して2009年に開館した「池沢早人師 サーキットの狼ミュージアム」(茨城県神栖市息栖)には30台以上のスーパーカーと、漫画やスーパーカー消しゴムなどのグッズが展示されており、今回の放送では第10話で同館を訪れて現物と対面する。
「サーキットの狼ミュージアム」を訪れた升は展示されたスーパーカーに鼻息も荒い。「サーキットの狼」で主人公・風吹裕矢が乗っていた「ロータス・ヨーロッパ・スペシャル」、警官出身の「沖田」が乗車した漆黒ボディの「フェラーリ ディーノ246GT」、風吹のライバルである早瀬佐近(さこん)が乗った「ポルシェ カレラRS2.7」などが登場。ランボルギーニ・カウンタックも含め、升とゲスト出演のタレント・グラビアアイドルの岸明日香が名車に試乗した。
升は当サイトの取材に「目の当たりにしたスーパーカーは、あまりの重厚感とカッコ良さに圧倒されました。乗り心地は…装甲車?戦車?のような(乗ったことないけど)武装感・攻撃力を感じる車というよりマシンという感じでした」と振り返った。
これまでの国産旧車路線から一転、第10話で欧州発のスーパーカーを特集したのはなぜか。
プロデューサーの新保和也氏は「番組テーマは国産旧車を紹介するドラマですが、昭和自動車史の中で『スルー』できないブームであった、1970年代後半に漫画『サーキットの狼』に端を発した『スーパーカー』ブームの頂点的存在だった『ランボルギーニ・カウンタック』をはじめ、当時の人気車たちが保存され、しかも稼働(運転)できる施設が、茨城県に存在していたことが、今回のエピソードを作るきっかけでした」と明かした。
では、昭和のスーパーカーブームとは何だったのか。
リアルタイムでブームを体感した新保氏は「当時、全国各地の空き地や倉庫の様な場所で、入場料を取り、『スーパーカー』を見せる催事が開催されていました。当時、小学生だった、私の小遣いでは入場料を払えなくて、会場を囲んだシートの隙間からのぞき見た記憶があります。その少ない小遣いで友だちと競い合うように、当時、出回り出した、今でいう『ガチャガチャ』の景品に『スーパーカー消しゴム』が登場し、当時1回30円で『カウンタック』が出るか出ないか?を祈る毎日でした」と振り返る。
その上で、同氏は「それから半世紀近く時は過ぎ、人々の車に対する『ステイタス』は大きく変化し、『ガチャガチャ』も進化と発展をしていったのは、このブームがあったからなのではと思いますね」と指摘した。
なお、同回に先立って放送される第9話では女優・羽瀬川なぎを迎え、「ホンダ アコードインスパイア」、「トヨタ クラウンパレードカー」、「ダイハツ シャルマンバン」、「日産 Be-1」といった国産の名車が登場。地元メシでは、升が第9話で茨城県の銘柄ブタを使ったカーマニア店主によるトンカツなど、第10話では千葉・銚子に足を伸ばして魚貝の五色丼と金目煮魚などに舌鼓を打つ。
食欲の秋と共に、快適な風の中を滑走する車の季節がやってきた。