ブライアン・ウィルソン(81)は、同じパーティーでジョン・レノンと3回会ったことを忘れるほど薬物依存だったそうだ。長年ドラッグに溺れていたというビーチ・ボーイズのブライアンは、1965年初頭にサイケデリックの使用を始めてから約1週間後、22歳で幻覚を見るようになり、統合失調感情障害と軽度の双極性障害を患っている。
エルトン・ジョンの長年の作詞家であるバーニー・トーピン(73)は、新しい回顧録「スカッターショット:ライフ、ミュージック、エルトン・アンド・ミー」の中で、1975年頃にセレブたちが集まった、あるパーティーについて「このような場ではいつもそうなのだが『自分はここに属してる』という空気と『ジョン・レノンとデヴィッド・ボウイが自分の集まりの中にいることに感動しているようには思われたくない』という空気が漂っていた。正直なところ、ブライアン・ウィルソンが私の横に腰を下ろし、耳元で息も絶え絶えに『バーニー、バーニー、ジョン・レノンを紹介してくれないか?』と囁くまでは、とても陽気で気楽な雰囲気だった」と語った。
ブライアンとは何度か会ったことがあり、何気ない会話をする程度の知り合いだったというバーニーは、ザ・ビートルズとビーチ・ボーイズはそれまでにも顔を合わせた事があったに違いないが、ブライアンを「愛すべき人であり、深く尊敬し、慈しむべき人」とみなし、そのリクエストに答えることにしたそうだ。
しばらくしてまた同じリクエストをしてきたブライアンに対して、「同じように平静を装い、しかし明らかに面白がって、紹介をし、世間話をした」ものの、それから10分もしないうちに再びブライアンがジョンを紹介してほしいと懇願してきた際には、気まずい思いをしながらも対応し「真顔で揺るがないジョンは、明らかに頭に血が上っているブライアンに向き合った」という。
しかし最終的には「間もなく彼は戻ってきたので、私たちは4度目の同じ罠にはまることなく、ドアに向かって一直線に進んだ」と事態の回避に転じたとバーニーは続けた。