抗肥満薬に関する実験が、マウスを対象に行われている。米マサチューセッツ大学アマースト校で、10週間に渡って高い脂肪、糖分、コレステロールの食事をマウスのグループに与え体重を倍にし、その後甲状腺ホルモンの合成製剤を注射したところ、不健康な食生活を継続しながら体重が落ちる結果が見られた。
同大学の化学及び生体医工学の教授S・タイ・タユマナヴァン氏はこう話す。「実験を受けたマウスたちは増加した体重を全て落とすこととなりました。不都合な副作用というものも一切ありませんでした」「マウスから人間では膨大な量の開発作業を行う必要がありますが、最終的に治療薬となることを期待しています」
高い脂肪、糖分、コレステロールの食事を食べ続けたマウスは、今回の治療を受け続けたところ、5週間で体重が元に戻り、更にはコレステロールの値が減少、肝臓の炎症が収まる結果となった。
この実験の結果をタユマナヴァン氏は米国科学アカデミー紀要に発表。同学校から立ち上がったベンチャー企業サイタ・セラピューティクスが、肥満症の人間への応用する任務を引き受けているという。
タユマナヴァン氏は続ける。「影響を及ぼした要因をぜひ見つけ出したいと思いました。コレステロールを下げる、コレステロールの逆輸送が活発化していたのです。脂肪酸化の活発化と代謝率の増加は体重減少の原因となります。しかしこの証明には更なる研究が必要です」