全日本プロレスの国立代々木競技場第二体育館大会が8日に行われ、今月限りの無期限休業を表明している〝海賊王女〟KAIRIが〝絶対不屈彼女〟安納サオリと組み、元WWEのSareee、〝お騒がせ女子プロレスラー〟ウナギ・サヤカと対戦。KAIRIが17分3秒、インセインエルボーからのエビ固めでウナギから3カウントを奪った。
力強い裏拳連発で崩したウナギに、美しいフォームのダイビングエルボードロップをポストから浴びせ、KAIRIがリング上で勝ち名乗りを上げた。呆然と沈むウナギを抱き寄せ、健闘をたたえる場面もあった。
王道マット初登場。自ら先発し、Sareeeとの打撃戦でどよめきを呼び、安納との好連係で優位に立った。安納とともに相手組の連係打撃に苦しむ場面もあったが、ウナギへの鋭いスピアーで流れを呼び戻し、フィニッシュへと突き進んだ。
引き上げた安納から、これまで受けた後押しへの感謝とともに「KAIRIさんって体は小さいけれど、すごく大きい。しばらく組めないかもしれないけど、また組めると信じています」と感傷的に呼びかけられたKAIRI。直後に乱入してきたウナギからは、涙目で「お前、プロレス辞めねぇよな?勝ち逃げなんか絶対させねぇからな」と訴えられた。
KAIRIは「大丈夫。世界は、リングは絶対つながっているから、お互いが切磋琢磨して、上を目指していれば、必ずみんなが諦めずに夢をかなえようと努力していれば、必ず、どこかで交わる、そう思っている。だから今日も交われたじゃん」と感慨深げに語った。そして「これで安心して旅に出られる。この二人はトップレスラーだと思っている。華があって、メチャクチャ熱い。勝手に輝いてくれると確信している。私ももっと上を目指して頑張る」と3人で手を組んで、さらなる飛躍を誓った。
8月に初タッグを組み、この日は対角線で初めてKAIRIと敵対したSareeeは一人でバックステージに登場。「リングで出会えたことを感謝しています。その中で結果を残せなかったのは後悔しています」と、物足りなさそうに語った。敗戦後のリングで厳しい視線を向けたウナギに対しては「人気があって話題を作るのもうまいけれど、今の状況で満足しているのか。ここで満足しているウナギはもったいない。私が闘魂を教えてあげてもいい気持ち」と指摘した。
8月上旬には米専門サイトで米WWEへの復帰が報じられたKAIRI。次なる航海の末に、この日交わった3人の航路と再び巡り会う日は来るのだろうか。