Sareee「日本の女子プロレスは最強」帰国初陣は黒星も手応え「世志琥が戻ってくるリングは守る」

山本 鋼平 山本 鋼平
日本復帰戦に臨んだSareee
日本復帰戦に臨んだSareee

 世界最大のプロレス団体、WWEのNXTに約2年間在籍した、女子プロレスラー・Sareee(サリー)が16日、東京・新宿FACEで開催された自主興行「Sareee-ISM〜Chapter One」で日本復帰戦に臨んだ。橋本千紘とのシングル戦は23分17秒、オブライト(ジャーマン・スープレックス・ホールド)で3カウントを許すも、帰国時に「闘いを見せる」と掲げた理念を体現してみせた。

 満員札止めの会場に響く悲鳴を浴びながら、3カウントを聞いた。Sareeeはセコンドに駆け寄られても、すぐには動けなかった。体格とパワーで劣る中、橋本と意地を張り合う真っ向勝負に挑み、壮絶に散った。コーナーポストから場外へのボディプレスを仕掛け、コロナ禍以降は見られなかった場外戦では尊敬するアントニオ猪木さんばりの腕折りで攻撃。終盤はエルボー、ソバット、頭突きと打撃戦のすごみを見せたが、相手の必殺技で壮絶に散った。

 Sareeeはリング上で「やっぱり日本の女子プロレスは最強だな。今日は私の完敗だよ」と潔く認め「勝つまで何度でも挑戦してやる」とリベンジを誓った。そして会場の声援と拍手を受け、晴れ晴れとした表情で「みんな~ただいま!たくさんの方が集まってくれて私は幸せ者です。私の夢はまだまだ続きます。私の諦めない気持ち、戦う気持ちを女子プロレス界に広げていきます。私にどうかついてきて下さい。私の覚悟を追いかけてほしいです」と訴えた。

 バックステージでは改めて橋本の力をたたえ悔しそうな表情を浮かべた。それでも「日本の女子プロレスは最強だと改めて思った。私はあきらめない。何度でも挑戦してやる。私が日本の女子プロレス界を変えてみせる。強さがなければ闘いができない。今日は負けてしまったけれど、もっともっと強さを追い求めていけない。それが私にしかできないことだと思います。リング上での闘いをみてほしい」と前を向いた。

 橋本からはリング上で「私たちが女子プロレス界を引き上げて、強いプロレス見せていこう」と呼びかけられた。Sareeeは「私と千紘がやらなきゃ誰がやるって話」と呼応し「彩羽匠、世志琥、私のライバルです。こいつらともどんどん戦っていきたい。世志琥どこ行ったんだよ、帰ってきたのに。世志琥が戻ってくるリングはきっちり守っていくから。必ず戻って来いよ」と呼びかけた。

 父の影響で幼少時からアントニオ猪木さんに憧れを抱き、渡米前には対面する機会があった。「とにかく自分を信じて頑張れ」「赤が似合うな」という言葉を授かりレスラー人生の糧となった。赤いコスチュームで闘魂全開のファイトを見せたSareee。「本当に苦しかったです。何度も自分に負けそうになった。でも今日の勝者は橋本千紘で、私は敗者。本当に厳しいなと思います。でもこれが私のやるべきプロレス」とかみしめた。橋本からは「私の全てをぶつけられる数少ない選手のひとりがSareee。私たちで女子プロレスを広めていって、東京ドームでSareeeと戦うのが夢です」と賛辞を送られた。

 Sareeeの次戦は今月23日、木村花メモリアルマッチ「pinx!」(東京・後楽園ホール)に出場する。「私と戦いたい選手がいれば、誰とでも正々堂々戦う。もちろん私が戦いたい選手もいる」。夢をつかむ道のりを進んでいく。

 ◆Sareee自主興行「Sareee-ISM〜Chapter One」(5月16日、東京・新宿FACE=観衆537人) ▶第1試合・10分本勝負 海樹リコ(時間切れ引き分け)岡優里佳 ▶第2試合・20分1本勝負 中島安里紗〇&AKARI(15分17秒、ドラゴンスープレックスホールド)高瀬みゆき&星いぶき● ▶第3試合・30分1本勝負 高橋奈七永&ジャガー横田〇(18分9秒、ドリルアホール・パイルドライバー→片エビ固め)旧姓・広田Sareee●&伊藤薫 ▶第4試合・30分1本勝負 Sareee●(23分17秒、ジャーマン・スープレックス・ホールド)橋本千紘〇

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