立憲民主党の泉健太代表(49)が25日、国会内で定例会見に出席。政府が福島第1原発の処理水の海洋放出を決め、24日に東京電力が開始したことに「岸田総理は、現場の福島県の漁協の皆さんと誠実な対話をせずに放出を開始した。不誠実だし、漁協も反対という姿勢を変えない状況のまま放出に至ったことは我々としても大変遺憾であり、政府のやり方は間違っている」と批判した。
泉氏は、政府と東京電力が2015年、地元の漁業関係者に「関係者の理解なくして処分はしない」と約束したことにも触れ「一方的な処分はしないと政権自らが約束をして今に至っているにも関わらず、約束を果たさず放出に至った」と指摘。岸田文雄首相(65)の姿勢に対して「就任以前から『聞く力』ということを言ってきましたが、議論から逃げる力が目立っている。逃げる力ばかり発揮されている」と皮肉った。
立憲民主党としては、処理水の放出はやむなしとの考え方だが「処理水を貯留したタンクの限界なんて話が出てきますが、処理水の発生やスピードから何年も前から予測できたこと。漁協への説明など、どのように行うかは計画性をもって予測できたはず」とした。
泉氏は「それを今になって一気呵成(かせい)に、事前の取り組みが不足している中で、海洋放出をバタバタで進めていく。最終的に地元の漁協からも話を聞かない。これは政府のやり方として、大きな間違いだと言わざるを得ない」と、政府のドタバタぶりや説明不足を強調した。
一方、中国が処理水放出に反発し、日本産水産物の禁輸措置を発動したことに「全く科学性、科学的根拠や冷静さを欠く措置だと思っている。強く抗議をしますし、中国政府は速やかに、この措置を撤回すべき」とした。