元衆議院議員の宮崎謙介氏(42)が12日、よろず~ニュースの取材に、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について、東京電力の担当者に話を聞きに行ったとして「妙な不安に駆り立てられて流されるようなことがないように、自分で生のデータに触れて、何が不安なのかということにしっかりと向き合うべきです」と訴えた。
宮崎氏は「福島第一原発のALPS処理水の海洋放出について、いよいよそのタイミングを迎えようとしています」と、政府が処理水を8月下旬にも海に放出することを検討していることに言及。「政府は風評被害を防ぐことが第一であると述べているものの、まだ国内外では不安に思っている方々もいらっしゃるでしょう。よく言われるのは『安全』と『安心』は違うということ。では、安心につながる大前提である『安全』については客観的なデータに基づいて証明されているのか」とし、東京電力の担当者からデータとともに説明を受けた内容を以下のレポートにまとめた。
【1】事故で燃料が溶け落ちたデプリ冷却のために原子炉の中に注入している水は循環させており、本来であれば新たな汚染水は発生しない。
【2】だが、水素爆発を起こした原発の内部には雨水や地下水などが入るため、新たな汚染水が発生することになる。
【3】汚染水をALPSという装置で浄化した処理水に含まれている「トリチウム」が危険である、と心配されている人もいる。
【4】トリチウムの放射線は弱く皮膚を通ることができない。また、処理水を加えた海水で「ひらめ」を飼っているが、従来の知見と同様にトリチウムの体内への蓄積は見られない。
【5】トリチウムを取り除くべきだとの論があるが、そもそもトリチウムの多くは「水」のかたちで存在しており、ALPS処理水からトリチウムを含む水だけを取り除くことは、現在の技術では難しい。
【6】日本がこれから放出しようとしている処理水の放射性物質の濃度は、国の安全基準を大幅に下回る。
【7】また、年間の放出量は海外比でめちゃくちゃ少ない。例えば、カナダ・ダーリントン原発220兆ベクレル(2018)、中国・泰山第三原発124兆ベクレル(2019)、韓国・古里原発91兆ベクレル(2019)。今回の福島第一原発の海洋放出では22兆ベクレルを予定。
宮崎氏は「当然、これらの国々は海水浴もしていれば、漁も行われていて魚も流通して国民たちはその魚を食しています。このような現実をしっかりと認識することが大切」と強調。データに触れ、向き合うことが大切だとして「いたずらに危険だと煽る中国や北朝鮮と同調することは世界の非常識だということを最後に付け加えて、私のレポートを終わりにします」と結んだ。