全ゴジラ怪獣を徹底図解した「ゴジラ大解剖図鑑 西川伸司が紐解く怪獣の深淵」(グラフィック社)が8月8日に発売される。1954年に姿を現して以来、世界中を魅了し続け、今年11月には戦後の日本を舞台にした最新作「ゴジラ-1.0」の公開が控えているゴジラシリーズ。その全てを徹底図解する一冊となっている。
著者・西川伸司氏はゴジラファンの漫画家であり、1989~2004年まで数多くのゴジラ映画の怪獣デザインを手がけた怪獣デザイナーでもある。同書は2019~21年にデアゴスティーニより発行の「週刊ゴジラをつくる」に連載された「西川伸司のゴジラ大解剖」をベースに、加筆・修正を行い書籍化した。
216ページに詰め込まれた圧倒的イラスト数は見応え十分。ゴジラはもちろん、モスラ、キングギドラ、メカゴジラ(機龍)など100体を超える怪獣の全身イラストをベースに、各怪獣の特徴はもとより、スーツの仕様差、出演作品による違いなどもイラストで分かりやすく解説されている。
初代「ゴジラ」(1954年公開)から「シン・ゴジラ」(2016年公開)までのすべての実写特撮ゴジラを網羅。さらに「GODZILLA 怪獣惑星」から始まる劇場CGアニメ3部作と、テレビアニメ「ゴジラ S.P<シンギュラポイント>」もフォローしている。
また、怪獣のディープな考察や小ネタもたっぷり。例えば、モノクロ映画として公開された初代「ゴジラ」はどんな体色だったのかという永遠の謎。同書内で西川氏は「黒っぽいグレーという説が有力だが、茶色がかっていたという証言も」と解説。「もっともスーツの色が何色だったとしても、それはモノクロ・フィルムでの見え方を一番に考えてのものであり、本来想定された色とは限らない」と補足している。
その他、初代ゴジラの目は動くのか、モスラと小美人という発明、キングギドラのデザインの変化など、思わず読み込んでしまう解説も見逃せない。