吉本興業所属のピン芸人・おばあちゃん(76)が、芸歴5年目にして、最高齢で東京・神保町よしもと漫才劇場所属となったことが14日、同事務所から発表された。
おばあちゃんは2018年、71歳で東京NSC24期に入学。19年にデビューすると、芸歴5年目の今年、オーディションを勝ち上がり、同劇場メンバー入りを果たした。
芸人になるまでの人生も波瀾(はらん)万丈。38歳で乳がん(ステージ4)の手術を受けるも、術後1年で卵巣に転移、さらに45歳の時に子宮への転移が判明した。94年には、47歳で放送大学教育学部に入学。同大学・坂井豊子教授らのもとで、乳がんに関する卒業論文をまとめた。02年には、当時58歳の兄が病気により失明し、それ以来介護を続けている。
14日に更新された、お笑いコンビ・ナイチンゲールダンスのYouTubeチャンネルに出演した際には芸人になったきっかけを説明。「昔から人を笑わせるのが好きだった」というが「勤めていたし、ベビーブームだったから」と断念。それから時間が流れ「定年になった時に旦那と『今後どう生きる?』っていう話をして、(夫が)趣味の釣りをすると言ったので『じゃあ、私、吉本行くわ』って言った」と明かした。
劇場メンバー入りに際して、おばあちゃんは「76歳の後期高齢者です。毎日元気で平凡に暮らせたらいい、嫌なことは考えない、楽しい事を考えて暮らし幾つになっても好奇心と笑顔でいたい。若い人の力もお借りして感謝を忘れず生きていきたいと思っております」とコメントを寄せた。