スティーブン・スピルバーグ監督(76)は、子役スターだったドリュー・バリモアを助けることができなかったと感じているという。1982年の映画『E.T.』で一緒に仕事をして、父親的存在とされたスピルバーグだが、ドリューがあまりにも幼くして大人の世界にさらされていることに気づき、それが薬物依存症に陥る道を開いたことに不安を募らせるも、自分にはそれに介入する力がないと感じたそうだ。
スピルバーグはヴァルチャー誌にこう語っている。「彼女は子供が寝ないといけない時間を大幅に過ぎても起きていて、噂で聞くだけでよかったはずの場所に行き、普通の子供時代を奪われるような生活をしていたと思う。でも私は彼女の父親ではないから、とても無力に感じていた。自分は彼女の相談相手のようなものにしかなれなかった」
またドリューが赤い口紅をつけて自分のオフィスに入ってきたことがあり、それを拭き取るように言ったというスピルバーグ、『E.T.』のキャラクターにちなんだ名前の猫をプレゼントしたり、ディズニーランドやナッツベリーファームへの旅行に連れて行ったりと、普通の子供時代の体験を与えようともしたそうだ。
インタビューの中で、現在48歳のドリューはスピルバーグを「これまでの私の人生で親のような存在になってくれた唯一の人」と表現している。
前夫のウィル・コペルマン(44)との間に、娘のオリーブ(10)とフランキー(9)を持つドリューは、困難な幼少期を過ごした後、両親と和解するのに苦労したことを公言してきた。母親のジェイドは子役時代のマネージャーで、スタジオ54を含むハリウッド中のパーティーにドリューを定期的に連れて行き、ドラッグとアルコールに触れさせていた。12歳でリハビリ施設に入所した翌年、ドリューはカリフォルニア州の精神医療施設に1年半収容され、14歳になって両親から解放されたが、父ジョンは多発性骨髄腫と診断され2004年に死去している。