日本玩具協会が主催する「日本おもちゃ大賞2023」の授賞式が6日、都内で行われ、7部門の大賞受賞商品とヒット・セールス賞、新しい発想や新しい素材、技術などが顕著な商品にイノベイティブ特別賞のおもちゃが発表された。
知育や教育、教科学習に役立つおもちゃに贈られる「エデュケーショナル・トイ部門」の大賞には、車のエンジン音が流れるぬいぐるみ「赤ちゃんスマイル Honda SOUND SITTER」(タカラトミーアーツ=税込8250円、10月28日発売予定)が選ばれた。
自動車メーカーのホンダの協力を得て開発した赤ちゃん向けのぬいぐるみ。車のエンジン音が母親の胎内音に近いという研究結果をもとに開発された。ホンダの約30種類のエンジン音から、最も胎内音に近い周波数特性を持つという2代目「ホンダNSX」のものを再現。往年の名車「S600クーペ」のデザインで、スイッチを押すとぬいぐるみの中のサウンドユニットからエンジン音が流れる。
外出でむずかる赤ちゃんを安心させ、笑顔を引き出したいとタカラトミーアーツの神田修一さん(68)らが開発した。神田さんは80年代の大ヒット商品「のらくろロック」「フラワーロック」の開発に携わった〝音おもちゃ〟の第一人者。ホンダが2018年、車のエンジン音に秘められた赤ちゃんへの効果を発表してすぐに「商品化できませんか」とオファーしたという。
神田さんは今月、45年間の会社員生活を終えるといい「孫にも開発に参加してもらいました。最後に花を持たせてもらった。グランドフィナーレ。思い残すことはありません」と、有終の美となるおもちゃ大賞受賞を喜んでいた。