EXO-CBX SMを公正取引委員会へ提訴 専属契約書の一部を公開「不公正な契約行為を続けてきた」

椎 美雪 椎 美雪
EXO-CBX(左からベッキョン、シウミン、チェン)がSMを相手に公正取引委員会へ提訴したことが明らかになった(出典:EXO SNS)
EXO-CBX(左からベッキョン、シウミン、チェン)がSMを相手に公正取引委員会へ提訴したことが明らかになった(出典:EXO SNS)

 EXO(エクソ)のシウミン、ベッキョン、チェン(以下、EXO-CBX)が所属事務所のSMエンターテインメント(以下、SM)に専属契約解除の申し立てをする中で、契約書の内容を一部公開し、SMを相手に公正取引委員会へ提訴したと韓国メディアが報じた。

 報道によると、SMは公正取引委員会から2007年10月、2011年1月と2度にわたり是正命令を受けたにもかかわらず、これを無視して不公正な契約行為を続けてきたという理由からだという。

 EXO-CBX(チェンベクシ)の代理人であるイ・ジェハク弁護士は5日午前、公取委の議決を通して3回目の声明を発表。「公正委に対して、このようなSMの違反行為に対する厳正な調査と、これを是正する早急な是正措置などを要請し、さらにSM所属芸能人の専属契約に対する全数調査を要請した」と明かした。

 そして「SMはすでに2007年10月8日付公正委議決第2007-488号(2007西京0209号)で、(1)専属契約の契約期間の起算点をデビュー日に定める条項、(2)同業ほか芸能プロダクションの専属契約書上の契約期間より、過度に不利な契約期間条項がそれぞれ不公平であると判断された」とし、「2011年1月13日付公正委議決第2011-002号(2009西京2741号)で、(3)海外進出などの事由を理由に、練習生に延長された契約期間を適用して練習生に不利益を与える行為を再び行ってはならないという判断も受けた」と決定書を添付している。

<以下、EXO-CBX側 立場全文>(一部抜粋)
2023年6月5日(3回目)

 EXOのメンバーであるベッキョン、シウミン、チェン(以下、アーティストたち)の法律代理を担当した法務法人リンのイ・ジェハク弁護士です。

 当法律代理人は、依頼人を代理して昨日(2023年6月4日)付で国民苦情電子受付を通して公正取引委員会(以下、公正委)にSMの「取引上の地位濫用行為」について提訴しました。

 同提訴により、私たちは公正取引委員会がすでに2007年10月、2011年1月とSMに対して2回にわたり是正命令を下したにもかかわらず、当該是正命令を無視した不公正な契約行為がSMで堂々と行われてきたという事実を申告しました。また、公正委に対しこのようなSMの違反行為に対する厳正な調査と、これを是正する早急な是正措置等を要請し、さらにSM所属芸能人の専属契約に対する全数調査を要請しました。

 実際、当事務所の依頼者であるアーティスト3人は、公正委がSMに過去に命じた是正措置が全く反映されない不公正な契約書を締結することになり、SMの取引上の地位濫用行為によって継続的な被害を受けています。公正委員会の是正命令を受けた後もこれを是正しないことは、独占規制および公正取引に関する法律第125条第1号に定める「第49条第1項による是正措置に従わない者」として、2年以下の懲役または1億5千万ウォン(約1500万円)以下の罰金に処せられる刑事処罰事項でもあります。

 以下、当法律代理人はSMに対する公正取引委員会への提訴に関する詳細な立場をお伝えします。

1.SMは2007年、2011年の2回に渡り、公正取引委員会の禁止決議にもかかわらず、これを是正しませんでした。公正委員会への提訴に至るまで、アーティストたちはいろいろと慎重な検討をした結果、本当に難しい決断をすることになりました。これは昨今のことではありません。

 すでに2007年と2011年に、他の会社でもないSMに対して、公正委が行為禁止を議決したそれぞれの取引上の地位濫用行為を2023年に至る今日まで繰り返している状況です。これまでSMが繰り返してきた慣習や行為は、ベッキョン、シウミン、チェン3人のアーティストの問題だけではないでしょう。ほかの多くの練習生、アーティストを考慮すれば、被害の規模は莫大(ばくだい)なものになる可能性があります。そして、今だけでなく、未来にも繰り返される不当な行為を考えると、私たちは後輩の練習生、アーティストのために立ち上がらざるを得ませんでした。

 そこで、ベッキョン、シウミン、チェンの3アーティストは、当法律代理人の助力を得て、SMの取引上の地位濫用行為について公正取引委員会に提訴することを決意しました。どうか私たちの努力と勇気が、後輩たちの権益保護と大衆文化産業の公正で健全な発展に小さな助けと希望になれば幸いです。

2.専属契約の終了日を(専属契約日からではなく)「芸能活動デビュー時」から起算することは、所属事務所の意向によって超長期の専属契約を定めるもので、不公平性がすでに確認されたにもかかわらず、SMは依然として公正委員会の是正措置に従わないでいます。

 SMは2007年の公正委員会の是正命令を受けた後、2010年および2011年に締結した3人との専属契約でも全く同じように不公正な条項を繰り返し提示し、締結させました。これは独占規制および公正取引に関する法律第125条第1号に定める「第49条第1項による是正措置に従わなかった者」として、2年以下の懲役または1億5千万ウォン以下の罰金に処せられる刑事処罰事項です。

3.すでに2007年の公正委議決で「(契約日からではなく)デビュー日から5年」という契約期間が過度に長期であるという判断を受けたにもかかわらず、SMは専属契約書本文に「7年」、付属合意書に「3年」という期間を設け、むしろさらに不公正な契約を締結させました。

4.SMは、契約締結当時確定していない海外進出などの事由を理由に、一律的に延長された契約期間を適用する便法もそのまま使用することで、公正取引委員会の是正命令に違反しています。

 このような是正措置命令を受けた以上、SMは是正措置命令に違反する契約をこれ以上締結してはならないし、既に締結した契約であっても是正措置命令の趣旨に合うように改正しなければならないのです。 ところがSMは、2011年の公正委の是正命令を受けた前後である2010年および2011年に締結したベッキョン、シウミン、チェンとの専属契約でも全く同じ不公正な付属合意書の条項を繰り返し提示し、締結させました。

 そして、依頼人アーティストたちが把握しているところでは、SMは最近まで他のアーティストに対しても同様に海外進出準備などを理由に3年契約期間を延長する付属合意書を締結してきました。

5.アルバム発売量を満たすまで自動延長されるようにした後続の専属契約は、最小限の期間の上限さえも定めなかったもので、極めて不当です。

 アーティストたちは、先に見たようにデビュー日から契約期間を起算するように定めた結果、練習生期間が専属契約期間に加えられるようになり、再び付属合意書で3年が延長され、軍服務期間まで加えられた結果、なんと12年から13年を超える専属契約関係になりました。これは公正取引委員会が告示した大衆文化芸術人(歌手中心)の標準専属契約書で、契約期間7年を基準に定めたものともあまりにも差が大きく、最小限の合理的な程度を超過したものですが、SMは上記のように12年ないし13年の専属契約締結期間も足りず、アーティストたちに再び後続の専属契約書に押印させ、それぞれ最低17年または18年以上の契約期間を主張しています。

 このように、アルバムの発表数量を満たすまで、それも上限もなく、契約期間が自動延長されるという条項は、明らかに奴隷契約であり、当法律代理人は「取引上の地位を不当に利用して相手方と取引する行為」に該当することを指摘したのであり、アーティストたちも同じ考えを持っているのです。そして、既存の専属契約が1年余り残っている時点で、あらかじめこのように長期間である上に期間の上限もない後続の専属契約を締結しておくことによって、アーティストを「縛り付ける」行為も正当であると見ることはできません。

 SMはアーティストたちに後続の専属契約に対する契約金も支払ったことがありません。文化体育観光部長官が告示した「大衆文化芸術人(歌手中心)標準専属契約書」第3条第2項によると、専属契約期間が7年を超過して定められた場合、歌手は7年が経過すると、いつでも契約の解約を企画業者に通知することができ、企画業者がその通知を受けた日から6カ月が経過すると契約が終了するものと規定しています。ところがSMは、超長期の契約文言を締結しておきながら、その契約が終了する1年前にもかかわらず、再びアーティストたちを縛り付けたのです。

6.私たちは公正な大衆文化の定着と後輩アーティストのために、私たちの小さな勇気が助けになればという思いで公正委に提訴することにしました。

法務法人リン

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