英国のロックバンド「ザ・スミス」のベーシスト、アンディ・ルークさんが死去した。59歳だった。
バンドで一緒に活躍したギタリスト、ジョニー・マーは友人の訃報をツイッターで伝えている。「深い悲しみと共に、アンディ・ルークがすい臓がんとの長い闘病生活の後亡くなったことをお伝えします。アンディは、彼を知る人からは優しく美しい魂を持った者として、音楽ファンからは素晴らしい才能を持ったミュージシャンとして思い出されることでしょう。この悲しみの時にプライバシーへの配慮をお願いします」
ザ・スミスは、モリッシーをフロントマンとしてジョニーを中心に1982年に結成された。アンディは初のコンサートの後に加入。そのプレイスタイルはマンチェスター発だったバンドの要であり、ザ・キラーズやThe 1975といった後世のバンドに多大な影響を今も与え続けている。
ヘロイン中毒の影響で、1985年に2週間のみ同バンドを離れたアンディだが、『ザ・クイーン・イズ・デッド』のリリース前に復帰を果たす。ジョニーは同作でのアンディの演奏を「他のどのベース奏者にも真似できないもの」と絶賛していた。その後同バンドは1987年にアルバム『ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム』を完成させるも、発売前に解散となっていた。
このバンドの他にもアンディはシニード・オコナーや、ザ・ストーン・ローゼズのイアン・ブラウンらと共演していた。
一方、ジョニーは以前、ザ・スミス再結成に関して巨額オファーを受けていたものの、実現には至らなかったとして、「俺たちは3公演か5公演ぐらいで5000万ドル(約69億円)をオファーされたこともあるよ」と明かしていた。1989年にはアンディとドラムのマイク・ジョイスがモリッシーとジョニーに対して、バンドの印税の1割以上の支払いを求めて裁判を起こし勝訴するなど、確執が絶えなかったことでも知られている。