英国で「僧侶の霊」が出現したとして、現地メディアで報じられ、話題になったという。欧州の島国である英国とアジアの島国・日本には「オカルト」に対する関心という国民性において共通点があるいう説もあるという。ジャーナリストの深月ユリア氏が識者に話を聞いた。
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英メディア「テレグラフ」誌によると、英国で有名な『心霊スポット』で「ひげをはやした僧侶の霊」が目撃されたことが話題になっている。
英国で心霊・超常現象を調査する団体「ザ・ブリティッシュ・パラノーマル・ソサイエティ」のアレックス・ブラウン氏は、数年前に同サイトの読者からイングランド中央部ノーサンプトンシャーの バーフォード橋近くで「髭をはやした僧侶の霊」らしき姿をドライブカメラで捉えた映像を提供され、今年4月にサイトにアップしたところ、英国の「オカルトファン」の間で話題になった。
バーフォード橋は地元では有名な『心霊スポット』で、夜になると「ひげをはやした僧侶」が出没し、時には「助手席に座ることがある」、そして「付近では事故も多発している」という都市伝説がある。テレグラフ誌によると、目撃者の中には警官もいて、1984年には巡査部長と巡査がそろって「車のバックミラーでひげを生やした僧侶を見た」と報告していたそうだ。同誌によると、実際に、近辺には昔、修道院があったそうだ。
インターネット通信販売業に携わる傍ら、スピリチュアル系メディアで活躍している英国在住6年の日本人女性・Uco氏に取材したところ、この「僧侶」についての証言に対して「霊ではないと思います。なぜなら影があるからです」と指摘。確かに「影のある霊」は一般的に聞いたことがない。
英国人は「オカルト好き」で有名だが、場所が「心霊スポット」なだけに、この動画が話題になったのかもしれない。Uco氏は「英国の人たちは霊に対してかなり歓迎的です。霊がいるマンションなどは値段が高かったりもします。よっぽどでない限り、日本人のように祓(はら)ったりしないんですね」と説明した。
では、英国人はなぜ「オカルト好き」なのか。超常現象や民族伝承に詳しい作家の山口敏太郎氏に取材したところ、同氏は「英国の『心霊スポット』のような『オカルト』好きはスコットランドの文化の影響があります。スコットランドには『妖精』や伝承・伝説や迷信が多く、日本には『妖怪』の伝承が多いですが類似していますね。『ネッシー』や『ハリー・ポッター』も全て、『不思議の国』スコットランドの伝説に由来します。日本も英国も島国であり、『精神的な文化』に重きを置いていることが要因だと思います。『オカルト好き』という意味で日本と英国は深い友人になり得ると言えるでしょう」と解説した。
意外なところに日英の共通点があったようだ。