涙の帰還「半年ぶり、お母さんと会えた」ロシア連れ去りの子供31人救出 「動物のような扱い」劣悪環境だった

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 待ちに待った瞬間だった。ロシアがウクライナ侵攻後に占領地から連れ去った子どもの救出活動を行っている民間団体のセーブ・ウクライナが、このほど、新たに31人を帰還させることに成功した。母親と再会した13歳のダーシャさんは「半年ぶりにお母さんに会えた」と思いを語った。

 ベラルーシ国境からウクライナに戻ってきた子供たちは、家族と抱き合い、涙を浮かべて再会を喜んだ。セーブ・ウクライナ創設者のミコラ・クレバ氏は「5回目のミッションが完了しつつある。今回は、連れ戻した子どもの数やミッションの複雑さから特別なものになった」と振り返った。同氏によると、5カ月で5カ所も居場所が変わった子どもがおり、中にはネズミやゴキブリと暮らしていたというケースもあるという。子どもたちはハリコフやヘルソンからロシア側に「サマーキャンプ」の名目で連れ出された。

 ヘルソンから連れ去られたという子どもは「私たちはまるで動物のように扱われた」と訴え、親はもうあなた方に戻ってほしいと思っていないのだと言われたとした。

 ウクライナ政府は、昨年2月に侵攻したロシアがその後、1万9500人近くの子どもをロシア本国もしくはクリミアに強制的に連れ去ったと見積もり、その違法性を糾弾している。一方、ロシア側は、子どもを拉致したわけではなく、安全のために移動させただけだという主張を繰り返している。この問題では、国際刑事裁判所(ICC)が3月に連れ去りに関与した疑いがあるとして、プーチン大統領に戦争犯罪容疑で逮捕状を出した。

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