スコットランド出身の歌手ルイス・キャパルディ(26)は、パニック発作に襲われたとき、自分が「正気を失っている」と感じたという。セカンド・アルバム『ブロークン・バイ・デザイア・トゥ・ビー・ヘヴンリー・セント』のレコーディング中に、不安に押し潰されると息も絶えだえになり、トゥレット症候群の症状であるチックが増えたことなどの苦悩を吐露した。
ネットフリックスのドキュメンタリー『ルイス・キャパルディ:今、僕が思うこと』の中でこう語っている。「パニック発作を起こすと、おかしくなりそうで現実から完全に切り離されたように感じる。息ができない。息が吸えないんだ。めまいがする。頭の中で何かが起こっているような気がする」「汗をかいて全身が肩と同じ動きをはじめ、痙攣しているようだ」「こうなってしまうといつもこのような感覚を味わうんだ。これが僕さ。このままずっと動けなくなるとか、死んでしまうとか、そのどちらかを感じているんだ」
そして、ピアノの前に何時間も座って行う曲作りが苦痛だとして、「僕の曲の書き方は、4時間ピアノの前に座って、自分を嫌いになること。『凄く辛いし、曲作りも下手くそだ』って思う」「ピアノを弾こうと座ると、痙攣がひどくなる。体が辛くて息切れするし背中が痛くなるけど、やらないといけない」「今までの人生で、これほど不安だったことはない。1作目の成功で、自分の能力についてすごく不安になった」
ドキュメンタリー番組の中で、父マークさんがルイスの痙攣が以前より悪化していることに気付き、「何かしなければならない」とカイロプラクティックを勧める場面がある。またマークさんは、息子がチックの影響により、2020年にウェンブリーで行われた大規模なコンサートで歌を中断した時のことを振り返り、「息子が歌うのを止めたので、私は階段を駆け下りていき、観客は静かになっていて、『ルイージ(ルイスの呼び名)続けて!続けて!』と叫んだんだ。かわいそうだったよ」と語り、ルイスが「この痙攣は制御できなくなった。すごく恐ろしかった。プレッシャーについて悩み始めた。他の人たちのことも考えないといけないんだ」と続けた。
ネットフリックスのドキュメンタリー『ルイス・キャパルディ:今、僕が思うこと』は来月5日に配信開始予定となっている。