2023.02.27(Mon)

声優が5年もの歳月かけて制作！世界的人気を博した2D格闘ゲームの続編がアーケードゲームになって登場

対戦格闘ゲーム好きの声優・あつきんさん（@atsukinman)が5年もの歳月をかけて作り上げたゲーム「AXEL CITY2」。2007年に発表された知る人ぞ知る2D格闘ゲーム「AXEL CITY」の続編にあたる作品がこのたびアーケードゲームとして公開される。

声優がゲーム開発に挑戦した背景とは？また、exA-Arcadia（WindowsPCベースの汎用システム基板）向けアーケード化の経緯とは？あつきんさんを含む制作チームにお話を聞いた。

野中比喩（以下、野中）：制作のあつきんさん、作曲者のすくらっぷさん、本作声優でゲームテストプレイヤーの石川佳典さんにお集まりいただきました。

前作「AXEL CITY（以下、初代）」はどのようなゲームだったのでしょう？

あつきん：80～90年代を彷彿とする少年ジャンプ漫画的作風と世界観、男女共に個性の強い筋肉質なキャラクター中心の自分にとっても初めての同人格闘ゲーム作品です。

野中：ご自身でもキャラクターの声当てをされていたとか。

あつきん︰「小板橋篤記」名義で演じてます。元々こちらが本業なので自然とこういう流れになりました。コスト的な理由も含め（笑）。

野中：初代は現在でもプレイできるのでしょうか？

あつきん：DLsiteから購入しPCでプレイ可能です。

野中：AXEL CITY2はアーケードに。同人格闘ゲームがアーケードになるのは稀有なことだと思います。

あつきん：初代の評判を受けてエイプリルフールネタとして続編を告知しました。そしたらexA-Arcadiaの社長が初代のファンだったらしく、「そしたらウチでどうだい？」ってノリでオファーをいただいたんですよ！元々『2D格闘ツクール2nd（KADOKAWA）』を使って制作していたので、「版権問題とか大丈夫？」って思ってたら「KADOKAWAから許可貰ってきたよ！」って。もうやるしかないじゃないですか（笑）。

野中：社長さんは海外の方ですね。

あつきん：はい。初代は海外のウケが良くてユーザー層も9割海外、1割が日本。80年代の筋骨ヒーロー像がフックしたようです。

野中：友人の海外のプレイヤーに「今何のゲームしてる？」って聞くとドラゴンボールファイターズがよくあがるので納得です。

あつきん：元々、声の仕事から始めてディレクターや役者の仕事もしていました。その経験から「自分だけで何か作れないか？」と思ったのがゲーム制作のキッカケです。絵も描いていますが漫画やアニメにしなかったのは「キャラクターへの愛着を持てるジャンルは何か？」を考えた際に「格闘ゲームやな！」と思えたからなんですよ。AXEL CITYシリーズは自分が今尚愛している90年代格闘ゲーム、そして80年代アニメへのラブコールです。

初代の発表以降、別ゲームを作っていたら定期的に「格闘ゲームは捨てたのか？」というお声を頂きます。でも両方同時に出来ないじゃないですか（笑）。最近ようやく仕事も落ち着きコスト面で動けるようになったので続編の制作を開始しました。

野中：それでエイプリルフールの流れになるのですね。

あつきん︰そこから地獄でしたけど9割方ゲームが出来た所ですくらっぷさんに作曲をお願いしました。

すくらっぷ：私自身も格闘ゲーマーとして今作の進捗を楽しみに見ていたので、お話をいただいたときはびっくりしました。

続編モノに関わることへの戸惑いもありましたが、制作した楽曲に関してはあつきんさんのディレクションやイメージの擦り合わせが手厚く、スムーズかつ楽しく作業をすることが出来ました。口ずさみやすく印象に残りやすい往年のアーケード格ゲーのサウンドを強く意識しています。個人的にファンなこともあり、音作りは石渡太輔さんや来兎さん等ギターサウンドメインの作曲家さんの影響も色濃いかなと。

野中：楽しみです！

石川さんは「エメ」というキャラクターの声優をされていますね。また"ゲームテストプレイヤー"とは？