2ちゃんねる発の都市伝説がテーマ「低予算なのにA級」と話題のホラー映画「きさらぎ駅」とは

近藤 リナ 近藤 リナ

新浜松駅から乗車した遠州鉄道の電車がいつもと違いなかなか停車しない…ようやく到着した駅は「きさらぎ駅」という見知らぬ無人駅だった…

インターネット掲示板「2ちゃんねる」発の都市伝説を元に制作されたホラー映画「きさらぎ駅」が低予算なのにクオリティーが高いと話題になっている。

本作は長年ネット上で「現代の神隠し」と話題になっている、この世に存在しないはずの「きさらぎ駅」がテーマ。卒業論文の題材として「きさらぎ駅」を取り上げることとなった堤春奈(垣松裕里)が「きさらぎ駅」の原点となった書き込みの投稿者「はすみ」ではないかとされされる葉山純子(佐藤江梨子)を訪れた。純子はどこか影のある女性。春奈は「きさらぎ駅」に関する調査を続けるが、それが彼女の運命を大きく狂わせることとなる。

観客から「低予算ながらびっくり系な怖さがあって面白かったです」「ホラーではあるけど、ちょいちょいコメディ要素も入ってて、所々でクスッと出来るのが良かった」「ひぇってする部分が多くて、都市伝説的な怖さと人間の怖さがダブルで見応えがあった」など絶賛の声が寄せられている本作について監督の永江二朗さんにお話を聞いた。

 

近藤理菜(以下「近藤」):このテーマで作品を制作したきっかけをお聞かせください。

永江:2019年に「鮫島事件」という都市事件を元にした映画「真・鮫島事件」を監督しました。「きさらぎ駅」はそれに続く"ネット都市伝説ホラー映画、第二弾"という形です。鮫島事件を超える有名な都市伝説は「きさらぎ駅」しかないと、プロデューサーの方々と全会一致で決まりました。

近藤:永江監督はこれまで多くのネット系ホラー映画を手がけてこられました。今までの作品と本作の制作の異なる点や苦労した点があればお聞かせください。

永江:今まで様々なネット都市伝説を映像化してきましたが、一番有名な「きさらぎ駅」は手をつけていませんでした。なぜなら「きさらぎ駅」は2ちゃんねるの書き込みのやり取りが面白いのであって、読み物としては素晴らしいのですが映像化には向いていないと思っていたからです。

そのため、プロデューサーの上野境介さん、脚本家の宮本武史さんとの台本作りは凄く難航しました。書いては再びゼロベースに戻し、を繰り返しながら稿を重ね、2ちゃんねるの書き込み部分は一切やめるという英断にたどり着きました。

後半、主人公が行ってどうするかも含め、台本作りは他の作品と比べても本当に長く険しい道のりだったと思います。

近藤:監督が思う本作の魅力はなんですか。

永江:元々ホラーとコメディーは紙一重と思っていましたが、この作品はまさにそれが実現できた作品だと思います。映倫も、年齢を問わずに観ることのできるG区分ですので、小・中学生やホラーが苦手な人が見ても面白いと思ってくれるホラー映画を目指して監督しました。そこは脚本も含め凄く上手くいったと思います。

近藤:これまでの反響やコメントについて感想をお聞かせください。

永江:凄く嬉しかったのは、「きさらぎ駅」の舞台である新浜松にある映画館シネマイーラの動員が凄まじかったことです。連日の満員で、土日は入れない人が続出していたと館長から聞きました。私自身、3度も舞台挨拶に行かせていただきました。

また映画公開後にSNSである方が「劇場内に多くの若者が集まり、観客が一体となってきさらぎ駅を楽しむ雰囲気に息を飲むほど感動した」との趣旨の投稿されていたのを見たときはメチャクチャ嬉しくて、感動しました。その投稿に対し、すぐに伝わりましたと引用ツイートしました!

そんなこんなで、多くの方が2022年の映画トップ10にいれてくださっていて、低予算ホラー映画ばっかり監督してきましたが、映画監督を続けてきて良かったなーと心底思いました(笑)。

近藤:現在、新しい映画の制作予定はありますか。 

永江:現在はまだなんとも言えないのですが、皆様に嬉しいご報告ができる日がくるように誠心誠意頑張っています!!

◇◇

「きさらぎ駅」は題材として多くの小説、漫画、アニメで取り上げられてきたが、本品はホラーでありながらも誰しもが楽しめるように工夫された稀有な作品だ。また、「全裸監督」シーズン2で注目を浴びた恒松祐里さんが主役を務め、冒頭で紹介した佐藤江梨子さんや本田望結さんら人気俳優も多数出演しているのでキャストにも注目。ホラー映画が苦手という方にぜひ挑戦していただきたい作品である。

 永江二朗さんの関連情報

Twitterアカウント:https://twitter.com/eijigumi

映画「きさらぎ駅」公式サイト:https://kisaragimovie.com

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