黄色の「とんぼりクルーズ」に乗船→チケットに願い事を書く→「幸せになれる」ってホンマ?

チコ山本 チコ山本
ソウルから訪れた仲良し4人組、ドンキでお買い物して、いざ乗船
ソウルから訪れた仲良し4人組、ドンキでお買い物して、いざ乗船

 大阪・道頓堀川で運航している「とんぼりリバークルーズ」(一本松海運)が韓国の若い女性を中心にSNSでバズっているという。黄色い「DOTON号」に乗船し、そのチケットの半券に願い事を書き込み、財布などにしまっておくと、願い事が叶うらしい。「幸せの黄色い船」のウワサは本当か?調査してみた。

 コロナの影響で一時はゴーストタウンのように静まりかえっていた大阪・ミナミにもかつての活気が戻って来ている。なかでも外国人観光客に人気なのが、街そのものがテーマパークのように賑やかな道頓堀界隈。そこへもってきて、水際対策が大幅に緩和された昨年12月ぐらいからSNSであるウワサが広まり始めた。

 そのウワサとは「とんぼりリバークルーズ」の黄色い船「DOTON号」に乗船し、その際にチケットの半券に願い事を書き込み、写真撮影。その後、チケットを財布などにしまっておくと、願い事が叶うというもの。これには、クルーズを運営する一本松海運(大阪市)の鈴木麻希さんも驚くと同時に微笑ましく感じたという。

 「最初に聞いたのは受け付けのスタッフからでした。元々、道頓堀周辺は人気の映えスポットですが、いま韓国の若い人の間でリバークルーズがSNSでバズっているというんです。チケットの裏に願い事やハートマークを書き込んでいるそうで、私たちも驚きました。その傾向は年明け以降も続いており、うれしく思っています」

 とんぼりリバークルーズは、道頓堀川に架かる日本橋、相合橋、太左衛門橋、戎橋といった9つの橋の下をくぐりながら「グリコの看板」など水都大阪の名所を水上から眺めることができるオープンデッキの遊覧船。太左衛門橋を発着点に日本橋でUターンし、さらに湊町リバープレイスを折り返すコースとなっている。所要時間は約20分のミニクルーズとはいえ、大阪観光には欠かせない存在となっている。

 何より、話し上手な案内人がおり、たこ焼きのおいしい店の探し方や戎橋の欄干がコテでできているなどのウンチクを披露しながら大阪らしく場を盛り上げてくれる。さらに最後は乗った人全員で「大阪締め」を行うことで、不思議な団結力が生まれ、気分も高まる。

 乗車券を販売しているのはドン・キホーテ道頓堀店の1階。あのデッカい観覧車の下だから分かりやすい。始発から毎時00分、30分に運航しており、黄色が目印の「DOTON号」は定員60名。特に、観光客にはきらびやかでSNS映えする夜便が人気だという。

 では、例のウワサは本物なのだろうか。とんぼりリバークルーズでは、チケットの裏側に願い事を書く人が増えたため、ペンの貸し出しサービスも始めたという。ただ、取材した感じでは「幸せを呼ぶ黄色い船」の話はそこまで定着していない印象だった。実際、この日、ソウルから来たという仲良し女子4人組に尋ねてみたが、不思議そうな顔をしていた。それでも身振り手ぶりで、願い事のいわれを説明し、最後に「恋が実るかも」と何と伝えると、ニッコリ笑ってサムズアップしてくれた。

 そこで韓国に住む50代、日本通の友人に聞くと「私はSNSはしていなくて良く分かりませんが、とんぼりクルーズが再開したことは周りでも話題になっていました」と日本語で返ってきた。また、全羅南道大阪事務所に務める女性の友人に問い合わせたところ「初耳です」と苦笑い。「でも、リバークルーズはツアーにも組み込まれ、大人気です」と話してくれた。

 願い事が叶うという幸運の黄色い船はまだ浸透しているとまでは言えないようだが、若い世代で今後どんどん広がって行くかも知れない。一本松海運の鈴木さんは「黄色は明るくて元気なイメージ。道頓堀を運航する黄色いお船がパワースポットとなり、みんなが笑顔に、幸せになればいいですね。私たちも幸せのお返しができれば」と話していた。

◇「とんぼりリバークルーズ」

乗船料金=2023年3月31日まで、おとな(中学生以上)1,000円(税込)こども(小学生)400円

運航ダイヤ=平日13時~21時、土日祝11時~21時、毎時0分、30分出航

電話06(6441)0532

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース