世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット101」が30日、東京ビッグサイトで開催され、多くのコスプレイヤーが参加した。人気アニメ、ゲーム作品のキャラクターが大半を占める中、埼玉県在住の会社員・小高さん(30)はサッカーW杯の「三笘の1ミリ」をコスプレで表現。「これほどの反響があるとは」と驚く注目を集めた。
サムライブルーのユニホーム姿の男性。目いっぱい左足を伸ばした先では、人工芝の白線上のサッカーボールが存在感を放つ。グループステージのスペイン戦で、田中碧の勝ち越し弾を生み出したエンドライン際から三笘薫によるパス。「VAR判定」にまでもつれた殊勲のパスを体現した。小高さんは「きょうはコスプレを始めてから3時間ずっと撮影の声がかかって、他のコスプレイヤーを見る暇がありません」と声を弾ませた。
IT企業に勤務する小高さんは、大学時代までサッカー部に在籍。コスプレ活動は2019年に開始し、主にスポーツに関する時事ネタをテーマにしてきたという。今回は、W杯をテレビ観戦した際の感激を表現しようと、急きょコスプレ参加を決意。大学卒業後の増量がたたり、背番号9ではなく15のユニホームははちきれそうだが、これもW杯の人気を物語るものだった。
「三笘選手のユニホームが手に入りませんでした。入手したユニホームもLサイズがなくてMサイズなので…。僕は三笘選手のようにカッコよくもないですし…。でもその分、膝から下は気合を入れてコスプレしました」と胸を張った。大忙しだったこの日を思い返し「サッカーW杯が日本中で盛り上がったこと、あのスペイン戦は本当にすごかったんだと、改めて実感しました。個人的にはPK戦で敗れたクロアチア戦の、選手たちの必死な姿が心に残っています」と、しみじみ語っていた。