韓国の大手芸能事務所の1つであるYGエンターテインメント(以下、YG)といえば、自由奔放なHIPHOPのイメージが強く、YGならではの個性として人々の間で広く浸透している。
そんなYGで特にHIPHOP色を全面に出し、人々の関心を集めたグループとして有名なのが、BIGBANG(ビッグバン)だ。
特にメンバーのG-DRAGON(ジードラゴン)は、独特なラップスタイルと個性豊かな声色が話題を呼んだ。
従来のラッパーは、低い声でパフォーマンスをする傾向があるが、彼は自身の持つ美しい高音を生かし、ハリのあるラップを持ち味としている。そんなラップ技術が注目を集め、G-DRAGONはラッパーとして、一躍知名度を上げることとなった。
しかし、そんなG-DRAGONに引けを取らず有名だったラッパーが、過去にYGに所属していたことをご存知だろうか。
現在、声優として活躍する1TYM(ワンタイム)のソン・ベッキョン、彼こそがYGのラップスタイルの元祖となる人物だ。
1TYMは1998年にデビューした4人組ボーイズグループで、K-POP第1世代に分類される。
HIPHOPミュージシャンに、アイドル要素を加えた新しいグループコンセプトが話題を呼び注目を集めた1TYMは、YGの中で初めて商業的に成功したと言われている。
ソン・ベッキョンは活動当時、ハリのある高い声を生かしたラップスタイルでリードラッパーを務め、プロデューサーとして作曲などにも携わり、音楽的な面でグループを支えていた。
そんな彼の活躍はG-DRAGONをはじめ、後輩アーティストに大きな影響を及ぼしたと言われている。
さらにグループには、YG所属の代表プロデューサーとして名を馳せるTEDDY(テディ)も所属していた。
1TYMでメインラッパーを務めていたTEDDYは、世界一のガールズグループと称されるBLACKPINK(ブラックピンク)や、2NE1(トゥエニーワン)などを担当したプロデューサーであり、いまやYGになくてはならない存在だ。
音楽的実力が高いメンバーが多数所属し、注目を浴びた1TYMだが、解散自体はしていないものの、2005年以降からはメンバー個人の活動がメインとなっている。
ソン・ベッキョンは2007年に歌手を引退し、その後1TYMメンバーのオ・ジンファンと共にカレーチェーン店である『あびこ』を経営。
2019年には、KBSの声優に合格し、声優界デビューしたことでも話題になった。当時、彼は自身のインスタグラムに受験票の写真を公開し、声優挑戦に対する想いを明かした。
2022年4月5日には、インスタグラムに1TYM時代の写真を掲載し、過去の活動を懐かしむ様子を見せた。
音楽家としての実力を持ちながら、事業家やフリーランス声優など様々なジャンルに挑戦を続け、セカンドキャリアを着実に築いているソン・ベッキョン。
彼の今後の活躍にも期待が高まっている。
(構成:松原すずの)