ヘンリー王子による新たな回顧録『スペア』が、イギリス王室を混乱させる可能性があるという。王室に詳しいリチャード・フィッツウィリアムズ氏はヘンリー王子の「自分はスペア(予備)」というタイトル自体が既に衝撃的なものだと明かす。
ペンギン・ランダム・ハウスから出版が決定した同書についてフィッツウィリアムズ氏は27日、メール・オンラインにこう語った。
「センセーショナルなタイトルです。著者は自分が評価されていなかった、あるいは物事の中心にいると感じられなかったことをほのめかしていますから」
「宣伝文句は『生々しい断固とした正直さ』と謳っています。英王室の懸念は凄いものとなるでしょう。チャールズ国王が即位して月日も浅いですし」
「この回想録に関するインタビュー、連載、終わることなき噂が間違いなく出てくるでしょうが、私の見解ではこれは何年も待つべきだったと思います」
「当時ウィンザー公爵だった(アメリカ人女性との結婚のため王位を捨てた)エドワード8世でさえ『ア・キングス・ストーリー』の出版は1951年まで待たなくてはいけませんでしたから。この結果は大きな波及効果を及ぼし、かなり破滅的なことになる可能性があります」
ちなみに英王室が原稿を確認するチャンスはなかったと伝えられている。ヘンリー王子が正面を見据えた表紙が印象的な同書は来年1月に163カ国語で発売され、その収益はチャリティに寄付されるそうで、出版社側はダイアナ妃の死について大きく言及しつつ宣伝中だ。
またヘンリー王子は1月10日に発売される同書の無修正オーディオブック版を朗読する予定となっている。
ペンギン・ランダム・ハウスのスポークスマンはこう話す。
「『スペア』は読者を20世紀中の最も胸を締め付けられる姿にすぐ引き戻します。2人の少年、2人の王子が全世界が悲しみ、そして恐怖と共に見守る中、母親の棺の後ろを歩いていたのです」