「繭の刺身」誕生 昆虫食カフェ新メニュー「イカの透明感」「食感はクラゲ」だし醬油でつるっと

話題の新メニュー「まゆ刺し」
話題の新メニュー「まゆ刺し」

 昆虫食カフェ「TAKE-NOKO」(東京都台東区)の新メニュー「まゆ刺し」がツイッターで注目を集めている。「カイコの繭を刺身感覚で楽しめるやばい昆虫食です」と書かれた投稿には、繭の面影が残る、乳白色で丸みを帯びた”刺身”の写真が添えられている。

 蚕が吐き出した繭をゆで、だし醬油で味わう新メニュー。まゆ刺しの企画担当で「TAKE-NOKO」の運営会社「TAKEO」代表の齋藤健生さんは「見た目はイカのような透明感で、食感は海藻やクラゲ」「そのものの味は特徴がない」「ほのかに桑の香りがする」と説明する。カフェの常連客からは「エンガワの脂を落としたようなさっぱりした風味」とも例えられた。

 調理方法はゆでて冷水で締めるだけ。材料は一般的な繭よりもセリシン(タンパク質の一種)を多く含む「セリシン繭」と呼ばれる特殊な繭で、さなぎは除いてある。「食べると繊維質」な一般的な繭と比べ、セリシン繭は「ケバケバする感じは一切ない」という。

 同社は「もともと昆虫を食べている人に対して一番おいしい昆虫を提供する」をテーマに、昆虫の形や個性を生かした商品を開発している。「まゆ刺し」も常連客向けに作ったが、写真をツイッターに公開すると「これは食えそう」「見た目綺麗」などと昆虫食愛好家以外からも好意的なコメントが寄せられた。齋藤さんは「昆虫を食べていない人たちにこれだけ反応してもらったのは初めて。(昆虫食に)全く興味がないのではなく、興味があって『今までのものはダメだったけど、これなら』という意見が多かった。思いがけず、うちとあまり接点のないお客さんから反応をもらったことが面白かったしうれしかった」と喜んだ。

 魚介類好きの齋藤さんがひらめき、「私の好きな海の幸と同じように昆虫食を食べられる」新メニューの開発に至った。同社の看板商品「タガメサイダー」に使われる「タガメ独特の臭みを低減する技術」で特許を持つなど、独自の加工技術を誇るが、「まゆ刺し」は「ゆでるだけ」で完成する。齋藤さん「そこに加工技術は入っていない。簡単に言ったら家で野菜をゆでているのと同じ」と”宝の持ち腐れ”に苦笑いしていた。

 「まゆ刺し」は税込み480円。土曜、日曜、祝日限定で提供中。 

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