韓国では、BTS(防弾少年団)の兵役問題に関する議論が続く中、韓国人メンバー全員が同じ時期に入隊したアイドルグループONF(オンエンオフ)の近況が注目を集めている。
ONFは6人組のボーイズグループで、日本人メンバー1人を除く、韓国人メンバー5人全員が、陸軍に現役服務中だ。
長きに渡り、議論が続いているBTSの兵役優遇の是非について、最近は、釜山万博誘致の広報大使である彼らの“代替服務案”など、新たな見解も加わった。
しかし、韓国の国防部が彼らの兵役優遇に難色を示しており、いまだ決着はつきそうにない。
BTSは、2020年に大衆文化芸術分野の優秀者に選ばれたことにより、入隊は満30歳(日本年齢)になる年まで延期されたが、グループ最年長のジンは、今年の12月4日に30歳を迎える。
現時点の兵役法では、7人でのグループ活動が見られるのは年内いっぱい。ジンの誕生日まで、あと2カ月。兵役問題の早期解決が求められている。
ファンの間では、年齢順の入隊を推測する声が上がっているが、“7人全員で同時入隊”を求める声も増えているようだ。
次期をずらしての入隊となれば、それだけ完全体での復活にかかる期間が長くなる。SUPER JUNIOR(スーパージュニア)は、BTSよりも人数が多い点はあるが、全員が兵役を終えるまで約10年かかっている。
そのため、グループ活動の空白期間が最小化できる方法として、“同時入隊”を望んでいるのだ。
2021年12月、ONFは入隊のタイミングを調整し、韓国人メンバー全員がほぼ同時期での入隊を実現。
ボーイズグループ史上初となる“同時入隊”の発表は、当時韓国で大きくニュースで取り上げられるなど、話題を集めた。
12月21日にMK、27日にJ-USとWYATT、28日にヒョジンとE-TION。最後に入隊した2人の除隊日は、2023年6月27日の予定だ。
そんな彼らの近況が今、韓国で注目を集めている。
10月4日、あるオンラインコミュニティーに「アイドルグループメンバーが、同時入隊すると起きること」というスレッドが上がった。
その内容は、韓国の“国軍の日”である10月1日に行われた式典について、ONFメンバー入隊後のスケジュールが掲載されており「10月7日に開かれる『2022 地上軍フェスティバル』で、メンバーによるステージが繰り広げられる予定」と書かれている。
『地上軍フェスティバル』とは、陸軍基地を一部開放し、展示や公演など様々なプログラムを通じて、韓国の軍隊文化を体験できるイベントだ。
中には一般公開され、入隊中の芸能人が見られるプログラムなどがあると思われる。
またONFは、去る8月16日にスペシャルアルバム『Storage of ONF』をサプライズ発表し、ファンを喜ばせた。
このアルバムは、メンバーが入隊前に準備していたもので、入隊後も変わらずに待ってくれているファンへ感謝の気持ちを伝えている。
彼らがやって見せた、メンバー同時入隊という決断や、入隊中にも続く積極的な活動が、ボーイズグループが頭を悩ませる“軍白期(入隊中の空白期間)”を最小化させる良い事例になるものと、予想されている。
これについてネットユーザーからは、
「ONFは堅実な青年たちだね」
「これが男性アイドル軍服務の定石になれば良いのに」
「かっこいい! 他グループもONFを見習おう!」
「入隊中でも会えたら、すごくうれしいね」
「アイドルグループは、同時入隊を選択肢に入れるべき」
「BTSも、彼らのようにできるだけ空白期間を短くして欲しい」
などの声が上がっている。
(構成:酒井知亜)