イトーヨーカドー運営のカフェに昆虫食パスタ 食用コオロギの調味液使用「風味を直に味わって」

杉田 康人 杉田 康人
グリラス和風パスタ
グリラス和風パスタ

 総合スーパーのイトーヨーカ堂は28日、横浜市のイトーヨーカドー綱島店で運営するケーキカフェ・食のセレクトショップ「eeets hall(イーツホール)」で、食用コオロギから抽出した調味液「グリラスエキス」を使用したパスタメニュー「グリラス和風パスタ」(税込1210円)を販売開始すると発表した。全国のイトーヨーカドーで、昆虫食を取り扱うのは初の試みとなる。

 グリラス和風パスタは、国産食用フタホシコオロギのうまみが濃縮されたグリラスエキスのみで味付けされた。食用コオロギの国内養殖最大手・グリラスの竹本裕政さん(29)は「雲仙ハムやアルドイノオリーブオイルといったイーツホールこだわりの食品を、シンプルな味付けが引き立てる。コオロギ風味を、じかに味わっていただきたい」と、新メニューを紹介した。

 イーツホールの店頭でも、グリラスのブランド「C.TRIA(シートリア)」のコオロギクッキーやカレーなどを販売。昆虫食に関心を持つ30~40代女性を、イトーヨーカドーの店舗に呼び込む狙いもある。

 人口増加と経済発展により、2025~30年にはタンパク質の供給が需要に追いつかない「タンパク質危機」が起こるとされている。捨てられる食品をえさにして飼育可能な雑食のコオロギは「食品ロス」を解決し、新たなタンパク質を生み出す循環型食材〝サーキュラーフード〟としての可能性を秘める。

 イトーヨーカ堂の池田貴彦さん(50)は「セブン&アイグループは、SDGsの取り組みもしている。実際に食べていただくと、購入にも結びつく。関心を持ってもらいたい」と期待。総合スーパーで昆虫食を扱うことで、消費者のハードルを下げていく。

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