安倍晋三元首相の国葬が27日午後2時から、東京・日本武道館で執り行われた。多くの人が一般向けの献花に訪れ、献花台が設けられた九段坂公園から始まった長蛇の列が、JR四ツ谷駅周辺を折り返しに東京メトロ半蔵門駅まで続いた。
14時30分時点でJR四ツ谷駅付近から一般向けの献花台まで延びた2列は、2、3分おきに数10メートル動くゆっくりとしたペースで進んだ。蒸し暑い天気の中、5分間進まないことも。時間の兼ね合いか、途中腕時計を確認し、列から外れる人が見られた。約3時間30分をかけ、九段坂公園の入り口に到着した。
15時15分頃の麹(こうじ)町大通りの歩行者道には上り下りとも長蛇の列が。列はさらに長くなっており、四ツ谷駅周辺のスクランブル交差点で折り返しする形で半蔵門駅にまで伸びていた。混乱を避けるため分断された列もあり、四ツ谷駅周辺の交差点では列と列の間が長く、どこが最後尾が分かりづらい印象だった。そのため四ツ谷駅で下車した人が、知らずに"割り込み"をしてしまうケースもあったという。「この列で合っていますか?」と警官に確認する姿も見られた。
列は最後まで「国葬反対」のデモと接触する場面はなく、落ち着いた雰囲気だった。半日休を取得して来たという40代の会社員男性は「ここまで人が多いとは」と驚いていた。「何、この列?」とスマホで写真を撮るため、足を止める通行人もいた。
献花は多くの人が訪れたことから、予定より30分早い午前9時30分開始に。また、16時の終了予定時間を大幅に超え、献花する参列者に対応した。献花前には、警官による荷物検査が行われ、ペットボトルなど持参の飲み物をその場で一口飲ませて安全性を確認していた。献花台では、遺影に向かって何かをつぶやいたり、ハンカチで涙を拭いていたりと、さまざまな姿が見られた。