「生涯現役」リアルに実現!東証グロース上場企業が日本初〝100歳定年制〟導入

杉田 康人 杉田 康人
100歳まで働ける再雇用制度を導入した大阪市のブロードエンタープライズ
100歳まで働ける再雇用制度を導入した大阪市のブロードエンタープライズ

 東証グロース上場のIT企業・ブロードエンタープライズ(大阪市)は、2022年8月から〝100歳定年制〟となる100歳までの再雇用制度を導入した。60歳の定年以降も社員本人が希望し、健康状態に問題がなければ1年契約の更新制で100歳まで働くことができる。

 100歳までの再雇用制度は、日本初の試み。マンションへのインターネット販売を主力事業とする従業員174人の同社では、制度を利用し60代後半の男性社員2人が技術職として働く。

 2021年4月に、改正高年齢者雇用安定法が施行。65歳までの雇用確保義務に加え、すべての企業に「70歳までの就業確保措置」に対する努力義務が課せられたが、厚生労働省によると希望者に対し70歳まで就業機会を提供しているのは企業全体の25・6%だという。

 ブロードエンタープライズは、2000年に中西良祐社長(47)が設立。従業員4人でスタートし、2021年12月に東証グロース市場に上場するまでに急成長した。

 同社の担当者は「起業時より〝社員が働きたい会社に〟との思いがあり、人が会社の財産と考えてきた。社長が〝70歳というのなら、思い切って100歳にしよう〟と決断した」と説明。ベテラン社員が培った経験やスキルを、次世代の社員に継承していく狙いがある。

 70歳を超えた社員の健康には特に配慮し、年2回の健康診断や産業医による定期面談を実施。無理なく働ける環境を提供していく予定だという。同社ではペット医療費保障制度やスキルアップ支援制度など独自の福利厚生制度がある。

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