10匹以上の柴犬が到着客を出迎える萩・石見空港のイベントがツイッター上で注目を集めている。同空港のある島根県益田市が”柴犬発祥の地”であることから、地元の「柴犬オールスターズ」が大集結。毎月2回、熱烈なおもてなしをしている。
毎月第1・3土曜日の9時40分着羽田発便の到着に合わせ、空港前に柴犬が列をなす。毎回10~15頭程度が集まり、初回の今年6月18日は約20頭が参加したこともあった。到着客は犬たちとのふれあいを楽しんだり、写真を撮ったりして満喫している。
石見空港のある島根県益田市は、柴犬の祖先と言われる石州犬「石号」の出生地で、「柴犬の聖地」と打ち出している。同空港の知名度アップや利用促進を目指し「柴犬によるお出迎え」を企画した。
お出迎えに登場する犬は、地元の柴犬愛好家による「益田柴犬育成会」に所属する「SHIBA-INU ALLSTARS(柴犬オールスターズ)」のメンバー。「石号」の後輩にあたる、血統書付きの由緒正しい「柴犬」のみが参加できる。
ツイッターでイベントのポスターが拡散されると、「万葉の聖王号」「阿古の妙兼姫号」など柴犬メンバーのユニークな名前も注目された。これらの名前は血統書に記された”本名”だという。
地元住民も気合十分でイベントを盛り上げている。企画を担当した石見空港ターミナルビルの西松基さんによると、当初、2回目以降は3~5頭で小規模に開催する予定だったが、飼い主から「うちの子も出して」と強い要望があり、毎回10頭以上が参加するようになったという。さらに、柴犬のお出迎えに合わせ、山口県萩市の田中文夫市長が自らトランペットでファンファーレを演奏したこともあった。
同空港は定期運行便が羽田発着1日2往復のみの「小さな空港」。「お客さまや便数を増やしていく工夫をしないと生き延びていけない」と、これまでも滑走路を走るマラソン大会や、敷地内で養蜂した「空港はちみつ」などで注目を集めてきた。西松さんは「柴犬は国内だけでなく、海外の熱狂的なファンも多い。益田市が『柴犬の聖地』だと海外の方にもイメージ付け、コロナが収まった時に”聖地巡礼”で足を運んでくれたらという野心もあります」と期待を語った。