ワンコたちの狂犬病予防注射「ドタバタ劇」ニュース制作会社の動画が大ヒット 座り込んだり引きずられたり

今井 佳奈 今井 佳奈

 狂犬病予防集合注射会場で、注射に尻込みする犬と予防注射の義務を果たしたい飼い主が繰り広げる「ドタバタ劇」のYouTube動画が人気を博している。動画を投稿するのは、富山県でテレビ番組などを制作する「とやまソフトセンター」。当初はニュース用に取材した過去映像をつないだ動画だったが、大ヒットを受け、今年度は〝新作〟の撮影も行った。

 会場付近で何かを察し座り込む犬や、散歩だと勘違いし足取り軽く着いた先で注射を打たれる犬、興奮する犬を落ち着かせようと手を尽くす飼い主、慣れた様子で注射を一瞬で終える獣医師…。飼い主には狂犬病予防注射を毎年受けさせることが法律で義務付けられているが、犬たちは一筋縄では打たせてくれない。そんな個性的な犬と飼い主の「ドタバタ劇」にハマる人が後を絶たない。

 動画には、尻込みする犬をものともせず会場へまっしぐらにリードを引く高齢女性や、「片手に現ナマ(代金)小脇にコーギー」の姿で現れ、受付・保定・注射まで犬に抵抗する隙を与えない手際の良さを見せる人などユニークな飼い主の姿も収められる。淡々と落ち着いた語り口のナレーションと、てんやわんやの映像とのギャップも視聴者に支持されている。

 ケーブルテレビ番組を制作する同社がニュース用に取材した集合注射会場の過去映像を集め、2021年8月にYouTubeへ投稿したところ、367万回超再生(22年8月3日時点)の大ヒット。これまでに8本のシリーズ動画を公開し、うち5本は100万回再生を超えている。

 大人気の動画シリーズだが、映像制作会社としてはあくまでも〝サイドビジネス〟。「やはりクライアントさんの納期を優先しないといけない」と、外部から制作依頼を受けた〝本来の業務〟の合間に「ドタバタ劇」を制作する。担当者がほぼ1人で編集しているという。

 基本的に巻き戻して見ることができないテレビでは、ハプニングが起きる前に期待をあおるナレーションを入れ、場面をスローモーションで繰り返し、何度も説明することがあるが、「ドタバタ劇」にはそれがない。理由について担当者は、北海道犬(アイヌ犬)の「リュウ君」を紹介した際に、人気漫画「ゴールデンカムイ」に登場するアイヌ犬の「リュウ」と犬種と名前が一致することに気づいた視聴者がコメントやツイッターで盛り上がったことや、メインで映る犬の後ろで、次に登場する犬がすでに踏ん張っていた姿が映り込んでいることを発見したコメントが書き込まれたことが印象的だったという。

 「自分たちが気づかなかった面白みを視聴者の方が見つける楽しみがあって、それをコメントに書いてくれるケースが多い。それに気づいてからは、より、必要以上に説明をしないほうが、みなさんが発見する余地を残せるんじゃないかと思うようになった」と、「やりすぎない」動画作りを意識している。

  昨年公開した動画は2006~2013年頃の過去映像が中心だったが、大反響に応えるため、今年は富山県の14自治体で集合注射会場の様子を新規撮影した。続編への期待にプレッシャーを感じながらも、ほぼ1カ月に1回のペースで新作を公開している。動画は公式YouTubeチャンネル「とやまソフトセンター」で見ることができる。

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