アニメ2期、実写ドラマ化「彼女、お借りします」で注目の「レンタル彼女」現実では既婚者の利用も

松田 和城 松田 和城

  「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の人気ラブコメ「彼女、お借りします」の実写ドラマ(テレビ朝日系、関東地区は土曜、深夜2・30、関西地区は日曜、後11・55)、テレビアニメ第2期(MRS・TBS系)が7月からスタートし、有料のデート体験で彼氏気分を味わうことができるサービス「レンタル彼女」に注目が集まっている。原作に登場するお店「ダイヤモンド」のモデルになっている「レンタル彼女PREMIUM」のキャスト・中村千花さん(37)がリアルなサービス内容を語った。

 利用希望者は公式サイトで会員登録後、好みのキャストを選択し、1時間あたり5000円からデートを申し込める。デートプランは女性に任せることも自分で決めることも可能。女性が積極的に仲良く接してくれる「デート体験」を通じ、「男と女=性愛」ではなく、「無邪気で純粋だった頃のようなときめく体験」が可能なサービスを提供しているという。風俗店などと異なり、性的なサービスは一切ない。

 原作漫画でレンタル彼女を利用する主人公は20歳の大学生だが、中村さんによると実際の利用者は30~50代が7割を占める。7年間同じキャストと月1回ペースで交流を続けている人、同性の人、さらには既婚者などさまざまな利用者がいるという。既婚者の利用は浮気と捉えられる可能性も考えられるが、中村氏は「中には奥さんに話して利用している人もいます」と説明。「夫婦の期間が長くなると、ときめきがなくなって家族愛の側面が強くなると思うんです。それを奥さんも分かっているので『ときめきが欲しいんだな』と理解しているのでは」と推測した。

 キャストの年齢層は20代前半から30代後半まで。決して若い層に指名が集中するわけでなく、「女性にリードされたい」「甘えたい」という気持ちから包容力のある30代のキャストを指名する人が少なくないという。「若くてかわいい子がいいってなるとちょっと性愛に近くなってくると思うんです。性的なものを満たしたいというよりは心を満たしたい、温まりたいみたいな方が多いですね」と答えた。

 原作者の宮島礼吏氏も「レンタル彼女」を体験済み。作中では実際のレンタル彼女同様に、ヒロイン・水原千鶴ら女の子が積極的にリードする姿が描かれている。一方で、いわゆる〝ラッキースケベシーン〟といった性的好奇心を煽る描写も。現実のレンタル彼女では、「恋人繋ぎ」などリアルな恋人同士がするようなスキンシップは禁止行為とし、利用者の性的興奮をあおらないようにしている。「漫画やアニメを見られた方が現実のレンタル彼女を利用されたとしても、同じだと思う部分もあれば、全然違うと思う部分もあると思います」と話した。

 レンタル彼女サービスが登場してから10年以上が経過した。「彼女、お借りします」を含め、さまざまな形でサービスの存在が広まり中村氏は感謝を口にした。ただ、同時に援助交際やパパ活といった性的なコンタクトがあると、誤った想像をされることを残念がった。自身もセクハラ的なスキンシップを期待された経験があるといい「レンタル彼女はグレーな業界、サービスというイメージではなく、健全でホワイトなサービスとして、現実のレンタル彼女が、あるべき姿のまま、正しく世の中に広まってほしい」と願った。

 レンタル彼女として10年近く働いてきた中村氏は、「簡単にできる仕事ではない」と誇りを持っている。女性側が男性を楽しませるサービスのため、男性から誘われる機会が多くデート経験が豊富な女性だったとしても、レンタル彼女として通用するわけではない。また、キャバクラやホストクラブにあるような、店内装飾や演出の力を借りることは一切できないため、全て〝商品〟である自分自身次第だと説明する。「お客様の満足度はキャストの振る舞いによって100%決まってしまいますので、とても難しい仕事だと思いますが、その分、他の仕事では得られないやり甲斐や達成感がある仕事だと感じています」と胸を張った。

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