夏の風物詩「怪談」の禁忌とは?心霊能力者は「礼儀」の大切さ説く、縁起のよい霊や妖怪に注目

深月 ユリア 深月 ユリア
写真はイメージです(kapinon/stock.adobe.com)
写真はイメージです(kapinon/stock.adobe.com)

 夏の風物詩ともなっている「怪談」。ジャーナリストの深月ユリア氏が心霊能力者に怪談に接する際の「作法」を聞き、また、座敷わらしやカッパなど縁起のよい霊や妖怪を紹介する。

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【夏の風物詩、「怪談会」を開催する上、絶対やってはならない禁忌とは!?】

 猛暑が続くが、少しでも涼しく夏を乗り切るために、風物詩でもある怪談会を開催するのは語るのはいかがだろうか。

「怪談を語ると本物の怪が呼び寄せられる」といわれるが、筆者は怪談好きアイドルなどの出演者たちが百物語を語るニコ生番組(※インターネット配信の番組)に出演した際、100話終わると、風の吹かない室内にも関わらず天井の照明が揺れるというポルターガイスト現象が発生した。その時に、写真を撮影すると、ブルーのオーブ(※写真に写り込む光の球)のようなものが写った。

 ところで、怪談を語る上で、「作法」や「禁忌(きんき)」があるのをご存じだろうか。

 特に百物語には実は厳しい作法があり、寛文6年(1666年)の浅井了意による仮名草子「伽婢子(おとぎぼうこ)」などによると、「新月の夜に行う」「99話でいったん辞めて、朝を待つ。朝日が昇ってから、最後の灯りを消す」「最後の灯りは朝日が昇るまでに消してはならない」「あんどん・ろうそくの灯りが消える可能性があるので、風が吹く場所で行ってはならない」等といった作法がある。

 心霊能力者として怪談師の稲川淳二と幾度が仕事をしていて、筆者が体験した百物語イベントの際にも解説者として出演した鈴田乃神助(すずきじゅん)氏に百物語含めた怪談の作法について取材したところ、「怪談の作法として、霊に対しての開始と終了の挨拶を忘れてはなりません。怪談をすると皆さんは霊を怖いもの、悪いものと解釈してしまいがちですが、実際は亡くなった方の霊はほとんどが浄化していて、未成仏霊や生き霊によるものが怖いことを起こします。深月さんも参加した怪談イベントの際、会場に入ると既に霊たちは数名いて、私はいつものように挨拶とお願いをしました。怪談は既に亡くなっている方々も行っていた娯楽ですから、その時生きている方が同じことを行っても見にくるだけで、ちゃんと礼儀をわきまえれば面白い現象を起こして楽しませてくれます。しかし、一部の悪霊などが来ると意地悪な事をするので、良い霊・妖怪をたくさん味方に付けておきましょう」という。

 【「縁起稼ぎ」の妖怪を味方につけよう!】

 鈴田乃神助氏が指摘するように、霊・妖怪には生きている人間の味方になってくれる者たちがいる。

 百物語も、100話語ると「何らかの怪が出現する」といわれるが、最後に現れる怪異は必ずしも恐ろしいものではなく、参加者が「出世できた」「天井から小判や餅が降ってきた」という逸話もある。どうせなら、良い霊・良い妖怪を味方につけてたいところだが、縁起稼ぎの妖怪の怪談話をするのも良いかもしれない。縁起稼ぎには、以下の妖怪たちをお勧めしたい。

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(1)座敷童(ざしきわらし)
 精霊の一種。座敷童を家で目撃したら、出世・繁栄して幸運が訪れるが、座敷童を追い出してしまったら不幸が訪れるという。

(2) 河童(かっぱ)
 水神の仮の姿とも言われる。「水難除け」「商売繁盛」「金運」にご利益があるとされている。

(3) 天狗(てんぐ)
 鞍馬寺や、高尾山などに祭られている良い天狗は、開運、災厄除去、招福万来などのご利益があるとされている。

(4) 小豆洗い
 お坊さんの姿をして河原で小豆を洗っている。目撃すると、恋愛運が向上するという。

(5) 金霊
 金の精霊で、無欲な人が善行を行っていると、金霊が金の光として窓から降り注ぎ、その人は大金持ちになると言われている。

(6) アマビエ
 豊作を予言し、疫病を退治してくれる妖怪。「新型コロナを退治してくれるかも」と期待され、流行中だ。

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  日本の伝統文化でもある「怪談」。ぜひ、今年の夏は「良い妖怪」を味方につけて、チャレンジしてみてはいかがだろうか。

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