ツバメが飛来する季節になりました。子供のころ、我が家にツバメが巣を作ったのがうれしくて毎日学校から帰るとすぐに巣の真下に駆け寄り、ツバメがせっせと子育てする様子を眺めていました。
昔からツバメは幸せを運んでくると言います。大人になってからも、ツバメを見るたびに「お、今年もシーズンだな。」と、ちょっと明るい気持ちにさせられます。
一方で、ツバメに迷惑をこうむっているという話もよく聞きます。たしかに、淡い色の壁ですとツバメの巣は結構目立つし、車の上や玄関にフンがたくさん落ちて困るという方もおられるでしょう。そこで今日はツバメの巣に関する対策を法的見地から解説します。
さて、多くの方は自分の家にできた巣なのだから、当然に撤去する権利があると思われるかもしれません。しかし世の中には、いわゆる「鳥獣保護法」という法律が存在します。この法律では、鳥獣及び鳥類の卵を捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう)を禁じています。
そしてなんと、これに違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられるとも定めています。いやあ、かなり厳しい規定ですよね。
ですので、既に巣の中に卵があったり、ヒナが産まれてしまっているタイミングで巣を撤去することは「損傷」に当たってしまい、この法律で罰せられる可能性があります。これに対して巣立った後の巣であればこの限りではありません。
したがいまして、たとえ自宅であっても、安易に巣を撤去することはできないというのが結論です。それでもどうしてもフン害に悩まされている場合は行政窓口にご相談ください。合理的な目的があれば捕獲や採取に関する許可が下り、撤去できる場合があります。
個人的にはツバメの子育てを温かく見守ってほしいと思いますが、ご事情はそれぞれです。お困りの際はぜひ一度、お近くの弁護士等にご相談ください。