ロックバンド・KISSのジーン・シモンズ(72)によると、バンドが活動停止を決めたのは、派手な衣装姿でステージで転倒する姿を見せたくないからだという。2018年に大々的なフェアウェルツアーを敢行したのち、引退すると宣言したKISSだが、憧れてくれるファンたちに最高のパフォーマンスを見せられなくなるのが一番辛いと考えているようだ。
ジーンは米ラジオ局KLOSに出演した際こう語っている。
「ツアーをやめることにしたのは、プライドと自尊心、それにファンへの愛と称賛の念が理由だ」
「リングに長く残りすぎたワールドチャンピオンのボクサーのようになるのは一番嫌だからね」
「足にガタがきて、バランスを崩すようになるのも時間の問題だ」
「リングに長く立ちすぎたボクサーや、ツアーを長く続け過ぎたバンドも見てきたからね。そうすると歌詞を忘れてしまったり、しわだらけの顔を見ることになるわけだ。まぁ、自然の命の流れだよね」
「だから俺たちは正しいことをしているんだよ。まだ絶好調の時に最善を尽くして止める。悲しいけど、幸せなことでもある」
「ツアーバンドとして最後の公演では、足を踏まれた12歳の子みたいに俺は泣くだろうね」
来年、バンド結成50周年を迎えるKISSは、今後ヨーロッパやオーストラリア公演を経て、北米のフェスティバルなどに出演するほか、延期されていたラスベガス公演の振り替え公演も行うとみられている。