ある旅客機の搭乗客が、意識を失ったパイロットに代わり着陸を成功させた。現地10日、飛行経験ゼロのダレン・ハリソンさんが乗ったセスナ機は、バハマから米フロリダへ向かう上空9000フィートで、パイロットが意識不明となる緊急事態に陥った。連絡を受けた航空管制官は、唯一の乗客だったハリソンさんに操縦を依頼した。
航空管制官のロバート・モーガンさんは、プリントアウトしたコックピットの写真を使い、飛行と着陸の仕方を指示。意を決したハリソンさんはモーガンさんの言葉を実行してセスナ機を操縦し、無事着陸に成功した。
フライトレコーダーには「切羽詰まった状況です。パイロットが支離滅裂な状態で、私は飛行機の操縦の仕方を知りません」と話すハリソンさんの生々しい声が録音されていた。
モーガンさんは、ハリソンさんの気を落ち着かせ、パーム・ビーチ空港へと着陸させたことをこう回想している。「彼を穏やかにさせ、滑走路を示し、着陸のため推力を落とすことを指示しなければいけませんでした。私が確認する前に、彼は、『着陸しました。これはどうやったらオフに出来ますか?』という感じでしたね」