カラオケ店「JOYSOUND」でハイスペックな家庭用ミシンを利用できるサービスがSNSで拡散され、注目を集めている。コロナ禍で苦境に立たされたカラオケ店の新たな活用方法は好評を受け、導入期間の3カ月延長(8月24日まで)が決定した。
「JOYSOUND 池袋西口公園前店」でブラザー工業の家庭用刺しゅうミシン「parie」をレンタルできるサービス。カラオケ室料とワンドリンクオーダーにプラス1000円(税込み)を支払うと利用できる。5月24日までの期間限定の企画だったが、好評により8月24日まで期間が延長された。貸出機材には、アイロンやアイロンマット、布切りハサミ、チャコペンも含まれる。
貸し出されるミシン「parie」は、カラー液晶搭載で、刺しゅう模様の選択や編集などもできるハイスペック仕様。本体の通常価格は14万3000円(税込み)と、家庭用ミシンの中では高価格帯の製品だ。「JOYSOUND」店舗を運営する株式会社スタンダードの親会社で、カラオケ事業を担う株式会社エクシングの担当者は「身近にあるカラオケという個室空間で、高機能なミシンを気軽にご利用いただけることが最大のメリットだと感じています」と説明した。
同社はコロナ禍で打撃を受ける中、カラオケルームで映画やライブ・ビューイングが楽しめるサービスを企画するなど、カラオケ設備の新たな活用方法を考案してきた。担当者は今回の企画について「カラオケならではの大きなテーブルで作業もしやすく、息抜きに歌ったり、大画面・音響で映像視聴を楽しみながら作業を行えることも魅力の一つです。自分だけのアトリエのように製作を楽しんでいただきたい」とアピールする。貸出品のミシンを製造するブラザー工業は同社の親会社にあたり、グループ企業の協力を得て実現した。
今年2月のサービス開始以降、利用者の声がSNSで広まり人気が急増。最近は週4回以上利用されるといい、主婦やコスプレの衣装製作をする人が利用しているという。現在は「池袋西口公園前店」のみのサービスだが、担当者は「今後の状況によっては対象店舗も拡大することも検討しております」とした。