ジェンダー平等に矛盾!?のポスターに「馬鹿にされてる感」と苦言も 神奈川県が作製意図明かす

福島 大輔 福島 大輔
「かながわ男女共同参画センター」のロゴ
「かながわ男女共同参画センター」のロゴ

 「ジェンダー平等」が強く叫ばれ、選挙公約にも盛り込まれるようになった昨今の状況下で、1枚のポスター画像がネット上で大きな話題となった。

 当該ポスターは「女性がどんどん主役になる」とのキャッチコピーとともに、神奈川県の黒岩祐治知事ら11人の壮年男性が横一列に並んだ写真が掲載されている。「女性が主役」というコピーと、ある意味〝矛盾〟したようにも見える男性オンリーの仕上がりに、ネット上では「女性と言っときながら、お爺ちゃんしかいないのですが。。。」「馬鹿にされている感さえある」と疑問視する声が続出した。

 このポスターは、神奈川県の組織「かながわ男女共同参画センター」が設立した「かながわ女性の活躍応援団」によるもの。「かながわ男女共同参画センター」の担当者はよろず~ニュースの取材に応じ、ポスター作成の経緯や制作した真意などを明かした。

 「―応援団」は、黒岩知事と神奈川県にゆかりの深い企業の男性トップ10人によって2015年11月に結成され、当該ポスターもほぼ同時期に作成された。担当者によると、結成当初から、メンバー全員が男性であることを疑問視する意見はあったという。

 それでも「当時、神奈川県内の企業のトップは約9割が男性でした。性別に関係なく働き、女性が個性と能力を発揮できる社会の実現に向けては、男性トップの意識改革が重要であり、男性トップから男性トップへの働きかけが効果的だと考えました」と、あえてメンバーを男性にした意図を説明。16年9月にはさらに男性10人が加わり、総勢21人となった。

 結成およびポスター作成から6年半が経過したが、県内企業トップの男女比は「ほとんど変わっていません」という。それでも、社会全体で女性の活躍を応援するという意図での活動は継続。今回の〝騒動〟にも「そうした形でも、注目していただけて、女性の活躍推進への意識を高めていただければと思います」と話した。

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