ワンちゃんもコスプレイヤーになる“時代” 飼い主とワンちゃんの絆になったコスプレ

野中 比喩 野中 比喩

コスプレをするのに性別も年齢も関係ない。

そういった自由な認識がようやく広まりつつある昨今だが、先日、筆者はなんと鎧型のコスプレをするワンちゃんたちを見かけた。

鎧型のかっこいいコスプレをしていたのはアベルくん、ティアラちゃんという2匹のワンちゃんたち。

いろんなコスプレイヤーを見てきた筆者だが、犬のコスプレイヤーは見るのも聞くのも初めてだ。さっそく衣装の製作者で飼い主の岡忠生さんにお話を聞いた。

野中比喩(以下「野中」):ワンちゃんたちのコスプレ歴やきっかけを教えてください。

岡:3年半以上前、アベルが生後8カ月くらいの時からです。

当時小学生だった娘の「なりたい病」に付き合って、独学で造形を勉強して鎧の衣装を作っていたんですが、すぐにサイズアウトしてしまうので勿体ないと思っていたんです。

そんな時ふと「犬がロトの鎧を着たら面白いんじゃない?」と思いつきました。ネットで作り方を探したのですが、世界中探しても前例がないようで手探りで作り始めました。

野中:私もワンちゃんの鎧は見たことがなかったです。作る上でこだわっていることはありますか?

岡:やはり軽さですね。出来るだけ愛犬たちに負担がかからないよう、約150gを目標に作っています。

野中:りんご半分くらいの重さですね!

岡:それと、原作ファンの方に失礼が無いように細部にまでしっかり作り込んでます。「やるならガチ!」それがわたしがコスプレイヤーさんたちから学んだこだわりです。

それに同じダックスフンドでも、頭のカタチが1頭1頭違うんですよ。目や耳の位置、マズルの長さや後頭部のカタチまで本当にさまざまで、例えば、アベルくん専用で作った物がティアラちゃんには、合わなかったりする事もあります。逆もあるし、汎用可能な物もあります。

野中:初めに作った作品は?

岡:ドラゴンクエストですね!

すっごく好きなのでどうしても作りたかったんです(笑)。

ロトの鎧、天空の鎧、竜神の鎧と作り続けたんですが、そのうちに他のネタを探すために色んなアニメを家族で見るようになりました(笑)。

野中:ワンちゃんのコスプレをしていて楽しい瞬間は?

岡:やはりイベントですね。コスプレイベントやワンコのイベントなどいろいろ参加しています。世界でたった1着しかない衣装で、皆さんに「可愛い!」「撫でてもいいですか?」「一緒に写真撮ってもいいですか?」とか言われるのがめちゃくちゃ嬉しいです。

野中:ワンちゃんたちコスプレに協力的ですか?

岡:最近、コロナ禍で安易にペットを手放す飼い主が増えていると聞きとても胸が痛いですが、私は娘と犬を迎え入れる時、家族として迎え入れるよう約束をしました。うちはアベルとティアラが家族だからこそ、家族一団になれるコスプレイベントが最高の絆になっています。イベントでは、家族の支えや役割がちゃんとしていないと成り立ちません。

その上での話ですが、以前、霊的な力で動物とお話するとされるアニマルコミュニケーターさんを介して愛犬たちとお話した事があります。家族しか知らない事件を話されたので信憑性がありました。

愛犬たちにコスプレについて聞いてみました。愛犬たちは、父が自分たちの衣装を作っていることをちゃんと理解しており、自分たちの役割もわかっていて制作の邪魔は一切したことがありません。

アベルくんは、最初は嫌だったそうですが皆さんに可愛がられるのが快感になったみたいで、衣装を着たら長男として頑張ると言ってるそうです。

一方ティアラちゃんは「衣装を着て、アピールはするけど、ヒラヒラでエレガントでお姫様みたいなドレスを買ってね!」とイマドキの女の子みたいなことを言っているそうですよ(笑)。

◇ ◇

今後、アベルくんとティアラちゃんは4月29日、30日に開催される神戸最大級のコスプレイベント「かみこす!」に参加予定。またフォトブックの製作やYouTubeでの動画配信にも力を入れてゆくそうだ。

アベルくんティアラちゃん、そして岡さんのコスプレライフを応援したい。

岡忠生さん関連情報
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