目にも止まらぬ速さで対象を両断する、居合という剣術がある。
アニメや漫画の世界で、剣豪があらゆるモノをバッサリと斬っていく姿を、誰もが一度は観たことがあるのではないだろうか。
国民的アニメでもある「ルパン三世」の石川五右衛門も、斬鉄剣を用いてコンニャク以外のモノは何でも一刀両断している。
しかし、刀で斬れるモノは固形物として存在するモノのみ…だと思っていたのだが、今SNSでは、「電源を斬る」刀型デバイスが話題を呼んでいる。それが「スマート剣豪」だ。
開発者はSNS上で様々な発明品を発表している発明家のゐずみさん(@Monyaizumi)。
過去に「ハズレ馬券トランプ」や、「われのもの注意シール」等のユニークで注目を浴びる製品を発明、商品化した実績のある発明家だ。
今回、目にも止まらぬ速さの抜刀で「電源を斬る」スマート剣豪についてお話聞いた。
橋本ダイスケ(以下、橋本):電源を「斬る」と言う、非常にユニークな着眼点ですが、発想に至った経緯をお教えください。
ゐずみ:アニメ世界の「刀を抜いたことすら目で認識できないほどの剣裁き」を現実で再現したい、という純粋な願望がきっかけで、シンプルに「作りたいから作った」ものになります。
最初は「嫌味な上司とのオンライン会議の接続を切る際のPCデバイス」として開発する予定でしたが、もっといろんな物が斬れたほうがうれしいなと思いホームデバイスとして家具を切る仕組みに移行しました。
通信のタイムラグを、「あまりに速い斬撃ゆえに斬られた側が既に斬られていることに気づかない時間」として転用したところが、個人的にこの作品で最も気に入っている部分です。
橋本:最初は嫌な上司を画面上から斬る為のデバイスだったんですね(笑)。
通信ラグも凄腕の剣豪感が出ていて、とてもカッコいいです。テレビでも紹介される等、注目を浴びていますが、反響はいかがですか?
ゐずみ:本作に限らず、作りたいものを作ってみんなに喜んでいただけている今の状況がほんとにありがたいです。発明家冥利に尽きます。
橋本:ゐずみさんの発明は様々な着眼点があって、非常に観ていて面白いですからね。こちらはご家庭の家電であればほとんどに対応しているのでしょうか?
ゐずみ:投稿ではスマート家電用として発表しましたが、汎用性を高めるために実は別の仕組みで実装しようとひそかに改良中です。
改造版が完成したらまた別のものを斬って投稿したいなと考えてます。
橋本:名刀を更なる業物へと鍛え直してるところなんですね。インテリアとしても飾れそうなスマート剣豪ですが、今後製品化や量産化の予定はあるのでしょうか?
ゐずみ:今のところはありません。おもちゃとしての製品化など声がかかったら嬉しいですね…。
橋本:メーカーの方々は今がお声掛けのチャンスな訳ですね!最後に、発明家として様々なアイデアが溢れておりますが、今後の展望があればお聞かせください。
ゐずみ:具体的な話はまだできないのですが、まだ手を出していない領域の中では「楽器」と「キャラクター」を作りたい欲が強くなりつつあるこの頃です。
他にも常に次回作公開に向けていろいろと動いていますので、もしよろしければツイッターなどフォローして頂けると励みになります。
◇ ◇
ゐずみさんの発明した発明品の一部は、ホームページから購入する事が出来る。
この他にも製品化はされていないが、「ビデオのテープがぐちゃぐちゃになってしまったメジャー」や、「ローストビーフの付箋」等、観た人の興味を引く発明を世に送り出している。
今回のスマート剣豪も、未発売製品とは言え、非常に多くの注目を集めている。要望が多ければ、注目を観たメーカーの協力で製品化…なんて事もあるかも知れない。
今後も発明家、ゐずみさんの独特の発明に、注目していきたい。